第10話 マージ・キュリアス
高橋海斗(=ゲイザー・バニングス)が召喚された闘技場から北東にかなり離れた森林。
エルフの集落の片隅に田中凛は召喚された。
”あなたの名前はマージ・キュリアス”
光に包まれて田中凛(=マージ・キュリアス)が降り立った。
それを見守るかのようにエルフの長老達が迎えてくれる。
長老と言っても見た目には20代の男女に見える。
「マージ・キュリアス殿」
エルフの長に声をかけられる。
凛はまだ状況が飲み込めていない。
はっきり分かるのは体の違和感だ。
もっと具体的に言うと、今までついていなかったモノがついてる。
・・・え!!夢なんだよね??僕、男???
エルフ達は急かすこともなくゆっくりと凛(=マージ・キュリアス)を見守っている。
「と、とりあえず鏡見せてください!」
そう言うと長老の1人が鏡を持ってきてくれた。
青い髪は学園にいた時と同じようにウルフカットだ。
ただ、眼の色が・・・右目が金で左目が銀、いわゆるオッドアイというやつだ。
アニメのキャラクターにしても派手な見た目だが、凛には多少あった胸の膨らみがないどころか股間には・・・。
そんな状況でも凛は、海斗に借りたハンドタオルを返すことができるのかを心配していた。
エルフの長の名前はクオ・イというらしい。
長は凛を自分の家へ招き入れた。
ハーブティーのような飲み物が出され喉を潤す。
「この世界の名前はガイアと呼ばれています」
「ガイアは神と魔より生じた世界」
「数千年の時を神と魔は争い、そしてもう間もなく
「多くの預言書がありますが、最終戦争の後の世界を書き記したものはありません」
「神と魔がそのままぶつかってしまえばこの世界は粉々になくなってしまうでしょう」
「だから、神によって召喚された者と悪魔が創造した魔物によって決着がつけられます」
「そして、召喚された勇者の1人がマージ・キュリアス殿、あなたです」
話を聞き終わると凛(=マージ・キュリアス)は「トイレ行ってきていいですか?と尋ねた」
長の家のトイレに通されると世界の命運よりも凛にとっては重要な課題にぶつかる。
・・・トイレってどうやってするんだろう?
トイレから凛が出てくると長の横に女性が立っていた。
「サイ・ナです」そう言ってお辞儀をする。
「マージ・キュリアスです」同じようにお辞儀を返した。
「サイ・ナは魔法師範という職にあり魔法の先生としてはこれ以上ない存在です、この後マージ・キュリアス殿の魔法教育を担当させて頂きます」
どうやら召喚された以上断る選択肢はないようだった。
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