第9話 ゲイザー・バニングス
加藤悠(=クリスタル・ゲージ)が召喚された盗賊団のアジトから東に少し移動した場所に高橋海斗は召喚されていた。
海斗が千園や悠と違うのは召喚されたと同時にミスリルアーマーとミスリルソードを装備していたことだ。
ミスリル製の武器や防具は貴族ですら入手することは困難で、武器の威力・防具の防御力ともに魔法装備を除くと最高級の物になる。
そして、海斗が周囲の状況を把握するよりも早く名前を呼ばれた。
「ゲイザー・バニングス」
眩しい
その名前が自分のことを指しているのは分かる。
ただ、なんで呼ばれているのだろう。
周囲を見渡す。
どうやら闘技場のような場所だ。
闘技場には既に数万人の観客も押し寄せている。
海斗(=ゲイザー・バニングス)の前には身の丈3メートルはあろうかという巨人が立っている。
海斗がぼんやり立っていると、巨人が手に持ったこん棒で殴りつけてくる。
キーン
こん棒の攻撃をミスリルプレートが弾く。
ほとんど傷は受けてない。
ただし、相当に痛かった。
本気で反撃をしないと殺されると思い、ミスリルソードを構える。
剣術を習ったことはないが、体が自然と反応した。
巨人の2撃目がくる。
間一で
まるで、バターナイフがバターを切るかのように巨人の体の中に剣先が入っていく。
巨人は大量の出血をしてその場に崩れ落ちた。
「サイクロプスを倒したぞ!」
「ほんとかよ?」
「オッズはどうなっているんだ?」
「10倍だよ、10倍」
「まじか?あの少年はなんて名前なんだ?」
「ルーキーらしい、このカタログには載ってないぞ」
「50戦無敗のサイクロプスがあんなにあっさりか?」
闘技場は歓声と悲鳴が入り混じっていた。
「ご苦労だったな」
立ち尽くしていると先ほど海斗を呼び出した男が迎えに来てくれた。
そして、闘技場の裏手に回ると賞金として金貨の入った袋が渡された。
「お前のマネージャーか?あの爺さん、お前の名前を登録するとふわっといなくなりやがった魔術師か何かなのか?」
「さあ、どうだかね」まさか神だとも言えず海斗は渡された金貨を腰にぶら下げた。
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