とにかく面白い。匿名のモノが多い現代で匿名性の無い、どこまでも暖かく、どこまでも心地よい世界が広がっている。「こんな生活が出来たらいいな」と憧れさえ持たせられる物語。それを、様々な視点で、時には主人公に、時には主人公たちを見る人々によって書く事で読み手に丁度いい視点で物語を見せてくれる。時には涙が出そうなくらい清々しかったり、絆があったり、それを巧みな距離感で、視点で見せる事で最初から最後まで心地よく読める。最後まで読んだ時の満足感は保証します。是非!!
登場人物はどちらかといえば不良集団。誰の家も関係なく上がり込んで、みんなでわいわい騒いで。そのつながりは深くて、尊い。じっくりおもしろく読ませていただきました。私の生活と比べて想像もつかないような生き方をする人たちですが、それでも読んでいて一種のいとおしさを感じます。ずっと仲良くしていてほしいなと、そう微笑ましくなります。
直接ではなく、さりげなく心内を表現しているところに、少しほっこり。段落要素に余計なものが入っていないのでとても読みやすい!