敢えて例えるなら、この本は某無職な異世界物語と桜な某作者の戦記作品3作を足しつつ、オリジナルの要素をブレンドした様な作品です。
面白い割にあまり認知されていないのがとても不思議に感じますね。
最近流行っている戦記作品は無双要素が強すぎてあまり馴染めませんが、これは違和感がなく、堅実な作品です。
作者様へ
作中主人公の幼少期の時期が長い事を気になさっているようですが、私としてはゆっくり主人公の生涯を書いて欲しいです。彼の一生を一緒に生きている気がするので。
小説の終わりには主人公とその子孫の歴史、現代の私たちが、実際に過去にいた偉人として主人公をどんな風に評価するのかを載せていただきたいです。
日本人の主人公が異世界転生するところから始まる異世界ファンタジーですが
作者様のコメントにもあるように「魔法」「スキル」「ステータス」等の要素は一切ありません。
ファンタジーなのは中世ヨーロッパ風の世界観だけ。
幼児期からの主人公の人生を丁寧に、しかしテンポを悪くすることなく描いています。
ストーリーも王道ながら読みやすく先が気になる物語で、引き込まれたらもう先を読む手が止まりません。
昨今の異世界ファンタジーの主流とは対極に位置するような作品ですが
大変にクオリティの高い名作です。
「ロードス島戦記」のような古典名作ファンタジーを彷彿とさせる作品なので
地に足の着いたファンタジー作品を読みたい方に強くお勧めします。