twenty all Ⅱ 第2部
第30話
都合ヶ丘高校学園祭、通称「秋都祭」の開催期間は2日。
金曜日はプレ祭で在校生のみの参加、翌土曜日は一般公開日なので全校生徒が模擬店等に力を入れる一日となる。
しかし、セキュリティの関係から一般公開日には学校関係者のみに配布される「パスカード」が無いとエントランスをくぐる事が出来ないのだ。
そして、今年からもう1つ新たなイベントが付け加えられたのだが・・・。
「却下」
「会長、それはもう無理です」
ニコニコ表情を変えない真琴とは対照的に、空良は苛立ちを隠さずに言った。
「大体何だよ、そのPRポスターってのは!」
「仕方が無い、井隼さんもう一度説明してあげて貰えるかな」
「はい」
静香は改めて秋都祭大会要項を読み上げた。
「秋都祭初日に開催されるミス&ミスター都高コンテストの優勝者は、PR大使として翌日一般公開日の正門前に掲示される秋都祭特別ポスターのモデルとなる」
「聞いてないぞ、そんな事」
「あら、この前の職員生徒会合同ミーティングで決定したじゃない。ソラ君本当に聞いてなかったの?」
真琴は呆れて前髪を掻き上げた。
「ぐっ、試合の立順を考えていたあの時か・・・不覚」
空良はがくっと片膝を付いた。
茶化しモード全開の真琴は、さらに追い打ちを掛ける。
「まあミスター都高は本命の誰かさんでほぼ決まりみたいだから、今からポーズを決めておいた方がいいんじゃない?」
「フッ、勝負は最後まで分からないものさ」
「空良さん、いい台詞だけど微妙に使い方が違う・・・」
終始両者の掛け合いに押されっ放しだった静香が、ようやく口を挟んだ。
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