何、女って怖い!
俺は弥美さんの両方をぐっと掴み、泣き目で左右に揺らす。
「や、弥美さん、何してくれてんのおおおお!」
ファーストキスがこんな美少女で嬉しいですけどさ……ファーストキスは好きな人とさせてくれ!!
「ふへへへ、ヒーラギとキス……あ、アソコが熱いよ……ああ、ヒーラギ、トイレ行ってきてもいいかな?」
はぁはぁとエロく息を吐く弥美さんの目は完全にメスの目なんだが……。
あ、これはトイレに行かせちゃダメなやつ!
絶対スッキリするやつ!
弥美さんのことなら大体この短時間で理解してしまった。
そのくらい彼女はキャラが濃いのだが。
「んな前に、なんだよりによって翔子さんの前でキスしやがったんだ!?」
噛んでいた指を口から離す弥美さん。
ダラ〜ンと糸を張る唾液はとてもエロかった。
そのまま、俺の顔に塗る弥美さん。
とても生温かく、それも女子の唾液と思ってしまうと少しご褒美でニヤケかけてしまう……って。
「やめろ、汚い……」
何すんなりと顔に塗らせてるんだ俺のばかやろー。
「いいじゃん、ふへへへ、もうキスをした中なんだし……それとも──」
スカートをグッと掴みあげようとする弥美さん。
「そのさきまで──」
すぐさま、優しく頭をチョップする。
「やめろ、まじめに聞きなさい!」
「いたっ!」と可愛らしい声で頭を押さえる。
そんなに強くやった気は無いんだがな。
「……それで、なんであんな一番ダメなシーンでキスしやがったんだ!」
「そんなの恋する乙女なら当たり前のことだよ……」
なはずあるかよ、恋する乙女みんながあんなことするんだったら世界中にキス魔が増えまくるわ。
「いいか? あれは恋する乙女なんかじゃない」
「そ、そうかな、だって白雪さんヒーラギを狙ってた目をしてたよ?」
その一言にピクッと身体が動く。
今なんて……。
俺は弥美さんに顔を近づける。
「そ、そんなに積極的なのは……う、うれしい」
「詳しく今の話を聞かせてもらおうじゃないか」
何かを期待していたのか、驚きの表情を見せる弥美さん。
何故? そんなことを思ったが今はそんなことどうでもいい、とりあえず……翔子さんの話だ!
場所を移り、俺たちは学生食堂へとやってきた。
当然、普段はめちゃくちゃ混んでいる学食だが放課後なのだ人はいない。
「それで、翔子さんが俺を狙っている件について詳しく教えてもらってもいいか?」
「え、うん……こうやって向かい合うとよりヒーラギの顔が見えてボク、うれしいっ!」
よーし、さっさと話を終えて帰ろうか。
「はいはい、それでだけど……」
「ボクにはわかるんだ、白雪さんがヒーラギに恋をしてるっていうのがね」
ほおほお、まったく信憑性がなさそうだが、めちゃくちゃワクワクしてるぞ!
オラワクワクすんぞ案件だぞこれ。
すると、弥美さんは自分の身体を抱きしめながら。
「あの目、あのヒーラギと会った時にした表情……本当に好きな人と会うと感じる子宮が疼くような……下半身の変な感触を感じてる目だったよ」
一瞬、翔子さんの子宮が疼く感じを想像してしまったがすぐさま頭をふりそんな想像を消す。
す、好きな人のそういうのはな……。
「ほうほう」
「だから、ボクは彼女を消すためにヒーラギとキスをした……それだけだよ、ふへへへ」
それだけじゃねーんだけどな、俺にとってはこれがどれだけこの先の人生に影響することか。
これで翔子さんに嫌われたかもしれないじゃないか。
でも、もし仮に弥美さんが言っているのが本当なら……。
となれば、スマホ……早く誤解を──。
そして、スマホの画面を開くとすぐさま弥美さんのスマホの画面を見せる。
「ん?」
「一番上見てみろ、『みんなで相談したところ、黒川さん、あなた一人抜けしたし……みんなでしばくことにしました』……だってよ……」
ああ、なんでこんな女子の闇を男である俺に見せるのだろうか……。
だそーですよ、弥美さん。
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