花言葉 ヘレニウム

 秋の花を問われて思い浮かべるのは、キク科の植物が多い気がします。

 9月28日の誕生花『ヘレニウム』も、秋らしい花姿をしたキク科の植物です。以前紹介したルドベキアによく似ていますが、和名をダンゴギクと言うだけあって、特に花芯のところが丸く団子のようになっているのか特徴的ですね。


 このヘレニウム、品種改良も大分盛んなようで、その数100種とも言われています。中には、花弁をより短くして花弁のぽんぽんを楽しめるようになった品種もあるようです。オータムロリポップと言う名を、ぜひ画像検索をしてみてください。その名の通り、まるで丸い棒つきキャンデーのような花姿です。


 幼い頃、もしも庭に咲いていたら、の材料にもってこいだったでしょう。花弁のお茶に、花弁のお団子でティータイムです。


 さて、見た目も楽しいヘレニウムの花言葉は『涙』『上機嫌』です。愛らしい花姿が秋風に揺れるのを思うと、上機嫌とついたのは想像つきます。それに涙とはどう言うことでしょうか。

 調べてみたところ、花の名前の由来でもあるギリシャ神話に出てくる絶世の美女ヘレネーが、関わるようです。

 悲しげな言葉がつく時、ギリシャ神話が関わっているのが、花言葉あるあるなのでしょうかね。


 「パリスの審判」と呼ばれるトロイ戦争の発端になる事件がありました。

 全ての神が招かれるはずだった結婚の宴に、不和の女神エリスだけが招待されませんでした。当然怒ったエリスは「最も美しい女神へ」と書かれた黄金の林檎を投げ入れます。

 これに、ヘラ、アテナ、アフロディーテが、それは私だと主張します。さすが美の女神たち、主張が激しいですね。


 その場を納めるため、ゼウスは「イデ山で羊飼いをしているパリスに判定させる」と提案します。パリスとは、アレクサンドロスの称号を持つ英雄になります。

 この場にいないものに判断を委ねる。平等と言えば平等ですが、選ばれたパリスはたまったもんじゃないですね。


 こうして女神たちの買収行為が白熱します。ヘラは「力と富(玉座)を与える」、アテナが「戦いにおける勝利」を約束します。しかし、パリスが選んだのはアフロディーテの「最も美しい女を与える」でした。

 この最も美しい女がヘレネーだったのです。


 黄金の林檎はアフロディーテの手に渡りましたが、ヘレネーはスパルタ王の妻だったため、トロイ戦争に発展してします。

 巻き込まれたヘレネーとすれば、涙なくしては語れませんね。

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