花言葉 ホタルブクロ

 夏になると思い出す花って華やかなものが多いですが、先日、紹介した露草や待宵草など、野分きに咲く花もありますよね。


 本日7月10日にご紹介するのは『ホタルブクロ』です。

 山野に咲く花で、別名を釣鐘草つりがねそうと言われるように、まるで釣り鐘が並んだような姿をしています。

 私の実家にも、初夏になると庭先に咲いていました。記憶にあるのは赤紫の落ち着いた色なんですけど、調べると、白いホタルブクロもあるそうです。

 分布的には、関東が赤紫、関西が白が多いと言う話もあります。


 その昔、子ども達が釣り鐘のような形の花に蛍を入れて遊んだことから、この名前になったとか。

 今の時代、蛍を見るのは珍しいし、ちょっと試すのは難しそうですね。


 さて、そんなホタルブクロの花言葉は『忠実』『正義』です。

 その花の形が教会の鐘を連想させることにちなんでいると言うらしいですが……カンパニュラの花言葉と、由来が似ているんですよ。


 でも、ホタルブクロの原産地って日本、朝鮮半島、シベリア東部なんです。つまり、西洋で生まれた花言葉とは思えないんで、教会の鐘を連想させるっていうのにも、ちょっと違和感が残りますね。


 カンパニュラの名前の由来は、小さな鐘(ラテン語のcampana)からきているそうですが、ギリシャ神話にも出てきます。


 美しい精霊カンパニュールは、果樹園の黄金のリンゴを守るのが仕事でした。それを盗もうとした者を見つけ、銀の鐘を振って知らせたのですが、その時、命を奪われてしまいます。悲しんだ女神フローラによって、鐘の形をした花に生まれ変わりました。


 うん、やっぱりホタルブクロの『忠誠』『正義』ってこの神話を意識している気がしますね。



 ちなみに、カンパニュラはホタルブクロの仲間になり、とてもよく似ている花です。種類が豊富で300種類ほどあるとも言われてます。


 そんなカンパニュラとホタルブクロの見分け方は、花のつき方です。

 ホタルブクロは下を向いていて、まさに釣り鐘のような姿ですが、カンパニュラは上を向いています。そして、花屋で並ぶのはカンパニュラで、ホタルブクロは野山に咲いていることが多いですね。

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