5日目


わたしの目の前には美しい女の死体がある



彼女はこの世から消え去ろうとしている。



首の後ろから襟元まで、黒い液体が溜まった大小様々な水疱ができていた。

顔全体が、いわゆるゾンビのような緑色に変色し、大きく膨らんでいた。こめかみには血管が隆起している。

口からは膨張した舌が飛び出し、膨らんだまぶたに長いまつ毛は埋もれ、産まれたての赤子のような表情をしている。

もはや生前の彼女の面影は見当たらない。


指先は黒く萎びシワが刻まれ、枯れ木のようだ。

ノースリーブのワンピースから伸びる手足には、静脈が赤黒く浮き出ており、巨大な蜘蛛が何匹も這っているようだ。


不意に腋にできていた黒い水疱が、ぷつ-と音もなく割れた。

床に赤黒い黒い液体が流れ出した。


彼女が広がってゆく。

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