3日目
わたしの目の前には美しい女の死体がある
だがしかし、もはや一目見るだけで生きている人間ではないとわかる顔容だ。
昨日よりも臭いは強く濃くなっている。
腐ったものが漂う下水道のような、刺激のある臭いが鼻を突く。
耐えつつ、それでも美しい彼女の顔をじっくりと眺める。
大きな瞳を覆っていたまぶたは、皮膚の上からでも見て取れるほど黒目の部分が落ちくぼみ、粘膜は赤く乾燥している。
長いまつ毛は乾いて縮んだ皮膚にペタっと張り付き、もはや美を象徴する存在ではなくなっていた。
唇には昨日よりも変化はなさそうで安心したが、注意して見るとうっすら口の周りが緑がかっている。青髭のようで、少しだけ彼女に嫌悪を覚えた。
まだ付着しているであろうファンデーションは、最後まで皮膚に留まってくれるのだろうか。
最後ってなんだろう?
死んでも愛している、なんて陳腐な言葉が脳裏に浮かんですぐに消えた。
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