2日目

わたしの目の前には美しい女の死体がある



明け方、彼女から漂う

かすかな異臭で目が覚めた。



魚が腐ったものに排泄物を混ぜたような臭い。顔を近づけると彼女の口から漏れているようだ。

彼女は服を着たままなので一見するとわからないが、もしかしたら腹部は美しい緑色に変色しているのかもしれない。


張りのあった唇は乾燥し、カサブタのようにひしゃげていた。

可哀想に思いスティックタイプのリップクリームを塗ろうとしたが、革皮化した唇では思うようにできなかった。

美しい彼女に申し訳なく思うと同時に、彼女は失われつつあるという現実に背筋がほんの少しざわついた。


昨日までは、目の前にはあるものは本当に亡くなった彼女だろうか?と考えることもあった。

もう彼女になにか与えることは出来ないのだろうか。

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