第88話 付与術と魔法

 わ! 忘れてた。三人衆をほったらかしで思考の渦に入っていた。


「ミランダさん、何か変化在りました?」


 放置していた事に気づいた俺は、ミランダに誤魔化すように質問をした。


 放心状態だったミランダ達は復帰はしていたが、まだ頭が回転していなくてきょとんとしていたが、俺からの質問に答えた。


「えっと、付与術というスキルが発現しました」


「私も」


「私もです」


「おめでとう、良かったね。でも当分これは4人だけの秘密にしようね」


 正直この先どうしたらいいか決めかねてるから、少し待って貰う為に秘密にしようと提案した。


「そうですね、ちょっとこれはおいそれと広めるわけにはいきませんね」


 まじでこれは真剣に魔法の勉強しないと拙いな、領都に行くか?


 以前行った時に色々本を読んだけど魔法関係は創造魔法があるからあまり気にしてなかったんだよな。


 あの時は転移して間もない頃だったから、国の制度とかそう言う基本的な部分の方が重要だったから、そちらを優先したからな。


 転移して3年以上経ってもまだまだこの世界について解っていないな、魔法や魔道具をこれから広めるなら絶対勉強は必要だな。


「そうだね、そうしてくれる。その間も色々やってもいいから魔石をあげとくね」


 三人に魔石を多めに渡して色々研究してみてくれと頼んだ。


 3日後俺は領都に向かった、学校を3日休めるだけの準備はして来たから、3日間、図書館に籠って勉強しよう。


 早いうちに薬師の教師を探さないといけないな。学校があるから俺の自由が利かない。


 ラロックを夜のうちに出発したから、開門まで門の近くで待機して開門と同時に領都に入って、図書館が開くまでに市場で朝食を済ませた。


 肉の串焼きうめ~ これって絶対雰囲気の影響だよな。ラノベの読み過ぎ?


 図書館が開いて直ぐに入館、片っ端から魔法関係の本を読み漁った。


 解った事

 1 闇魔法はある 使い手の数が少ないか、もしくは隠している。

 2 闇魔法は世間的には精神干渉できるとは知られていない。

 3 光魔法の一部が治癒魔法 治癒魔法は別に存在しない。

 4 無魔法は認知されていない。

 5 ティム魔法は闇魔法 魔法陣を解析。

 6 呪いについては何処にも本が無い。 

 7 無魔法の身体強化を覚えれば冒険者の能力が上がる。(一般人も含む)

 8 属性魔法に該当しない魔法が作れるならそれは無魔法と言う事。

 9 空間属性は存在しない。

 10 付与魔法は現状世間には知られていない。

 11 結界魔法は現状この世界では存在してない。作れたと言う事はルール上OK


 魔法について今は解っているのはこんな感じかな。

 魔法がイメージで発動するのは大前提これは揺るがない。


 スキルについて

 1 スキルの数は膨大にあるけど、職業スキルは有る物と無い物がある。

 2 スキルは統合されることがある

 3 スキルが統合されたものが職業スキルの可能性がある。


 他にもありそうだけど、3日で俺が結論を出せたのはこんな感じ。


 この結論もどこまで合ってるか解らないな。だって学問が数日で完結するわけがない。 学問である以上、定説は崩れる事がある。


 ここまでは良しとして問題はミランダ達をどうするか?


 錬金術師が付与魔法に適性が高い事は証明されている。ではどこまで出来るか?


 属性の適性が無ければ属性魔法の付与は出来ない?


この時俺は、断言できなかった。 この適性に疑問が多くあったから。


これまでこうだと思っていたことが違ったり、神様情報が曖昧だったりしていたから。俺の前世の記憶と混ざって勘違いしてる事も多々あったからね。


 無魔法の付与を錬金術師が出来るか? その条件は? MPの量、付与術の習熟度。


 無魔法の適性は全員にあるか?


神様情報なら属性持ちはある。 分からないのは属性を持っていない人。


 これを検証するには三人衆と錬金術師ではない別の人が数人必要だな、後は何処でするかだな?


 学校に夏休みみたいな長期休暇があれば良いんだけど、ないからな。


 貴族の学校ってどんなこと教えているんだろう?

 魔法科とかあるのかな?

 これは今度グランにビクター辺りに聞いて貰おう。


 俺の研究としては先ず、光魔法と闇魔法の研究をしないといけないな。


 特に闇はどんなことが出来るか調べて、それに対抗する手段も考えておかないといけない。


 光魔法は治癒が出来るから、俺の印象では聖魔法に近いように思う。ただ光としての属性もあるんだよね。生活魔法のライトは使ってる間、魔力を使い続ける。一方光属性のライト? は発動時に魔力を使うだけで後は意識して消えろと思うまで点いている。


 これは土魔法のアースウォールが消すまで存在するのと同じ。


 これから解るのは属性魔法は発動してからは自分の魔力ではなく、周りの魔力を使っていると言う事なんだろう?


 それに発動する規模で発動時の魔力量が決まると言う事だな。イメージでこのくらいと決めると言う事の様だ。実際俺の偽生活魔法は威力を落とした属性魔法だからな。プチファイヤとか……


 今はこの世界の生活魔法も使えるけど、転移したばかりの時はこの世界の事とか魔法の事が解らなかったから、結構いい加減だった。


 創造魔法ってルールに外れなければ何でも出来るから、これが問題の種に成ってる気がする。


 魔法はイメージだけど、俺には出来てもこの世界の人には出来ない事があるからややこしい。


 そして三人衆や付与魔法に関係する無魔法の適性が全員にあるか? を一番に調べないとな、それと無魔法はどんな事が出来るか?


 今の所解ってるのは、結界、身体強化、空間、後何があったけ?


 結界に関しても疑問に思う事がある。光魔法にもサンクチュアリという魔法がある。


これも聖域、つまり結界と同じような物なんだよな。違うのはサンクチュアリは悪意のある人間には効かない。広義にとらえれば悪意のある人間も魔の物のように思うけど違うんだよな。


 結界は効果を指定できる空気を通さないとか、これ自分から離れた所で発動できれば生き物には物凄く有効だよな。


 今の所自分や魔石を中心にしか発動してないけど……


 わぁ~ まじ魔法やスキル関係を研究しだすと切りがないな。正に学問だよ。

 これに魔法陣魔法、魔道具まで加わると俺引き籠りになりそう。


 元々引きこもりだろう…… 突っ込みが入りそう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る