第71話 紙の生産
学校建築が始まった。それと同時に紙の本格的生産を開始するために、今回はジーンに動いて貰う。
大変だろうけど、ゾイド辺境伯領の村や町を全部回って職人見習いを探してきてもらう。
殆どは農家の次女、三女狙い。辺境伯領は好景気だから男性は残っていないと思うから女性。
クッション景気で女性も仕事が増えたけど、何といっても内職の様な物なので本業ではない。
それにラロックや領都ぐらいにしか回せるスライム素材が無い。スライム養殖もいずれ考えないとな……
2週間掛けて領内を回って貰って、集めに集めた職人見習い総勢20人。
拠点には寮も完成してるので即入居してもらい、翌日から研修スタート。
当然新商品の特許案件ですので守秘義務契約後に成ります。先ずは研修の前に実物を使って貰う事から始まる。だって契約書が紙ですから。
この世界に魔法契約何てありませんからね。魔法はイメージですから将来は出来るかもしれませんが、こればかりは神のみぞ知るです。
良くラノベとかである呪いとか隷属魔法はどう考えても神が関係しないと出来ないと思うんですよ。
だって俺の創造魔法でさえ神の制限があるんですから、イメージで際限なく出来たらとんでもない事に成ります。
まぁそれを許してる世界もあるかも知れませんが?
紙の生産は工程さえ覚えてもらえば後はただただ生産するだけ、これって何かスキルが生えるのかな?
新種の職業だから新しくスキルが出来るんだろうな。そう言えばガラス職人やフランクのステータス見ていなかったな。レベルは自己申告してもらったから鑑定掛けてないや。
自分のステータスは解るから、何も言ってこないと言う事は何も生えていないんだろうな。
この世界の今解ってるルールだと、ガラス生産とか紙生産とかのスキル名で補正は早くて仕上がりが良くなるとかかな?
左官スキルがそうだから……
今回の研修にはジーンも参加して貰っている。紙ってこれから一大産業に成ると思うんだよね。魔法のある世界だからトイレットペーパーの需要は無いけど、それでも安価になれば用途は多い。
紙の生産はこれで良いとして問題は鉛筆。生産も問題だけど鉛筆ときたら消しゴムも必要になる。
実は消しゴムも出来ている。スライム素材から錬金術で消しゴムもどきは作れた。
しかし現状だとこれ以上錬金術師に仕事増やせないんだよな。
錬金術師って前世の科学者よりオールマイティー?
ん! 閃いたかも?
錬成陣って錬金術師でなくても使えるんだよね。実際フランクが使ってるから。
抽出、分離、結合(合成)が全て出来て錬金術師なら、分業したら錬金術師じゃなくても作れるんじゃない?
練習は必要だろうけど可能性はあるな。よく考えたらこの世界の職業って一人で殆どやってしまう職業が多いんだよ。
それが悪いかといえばそうでもない。スキルというものが存在する以上それもしょうがない。
しかしそれが原因で弟子制度の様な弊害も生んでいる。これって学校で使えるんじゃない。
拠点の錬金術師たちはポーションをひたすら作らせると言う強引な方法を取ったけど。抽出、分離、結合をグループ分けして教えて、定期的に入れ替えて、最終的にポーション製作をさせれば効率よくスキルが生えるんじゃないかな?
学校で作らせる教材で上手くすると、消しゴムも鉛筆も作れちゃうんじゃない。
ガラスの材料も練習材料に成るな……
学校の事と紙の生産を考えてると大問題に気が付いた。
ノートは問題ない。だけど肝心な教科書をどうしよう?
以前拠点の錬金術師の見習い用に少し作った時は数が少なかったから手書きで問題なかったが。今回は1000人分、それも職種ごとに違うし、読み書き計算の教科書はは全員分。
無くても出来ない事は無いけど、それなら絶対に必要になるのが黒板、黒板ってこの世界に無いよね。石膏か硬石膏はあるんだろうか? なければ黒板何て思いつかないよ。
チョークがあって初めて思いつくことだから。その逆もあるだろうけど。
黒板塗料って確か日本では初期の物は漆が主原料でそれにいろいろ混ぜて作ったんだよな。
ここは俺のチート鑑定の検索でこの世界の材料で黒板とチョークを作るしかない。
結核の薬がこの世界だと雑草も材料だったぐらいだ。代用品はあるだろう。
チョークの材料石膏はありました。
本当に時々失敗するな、前世の知識があるのも逆に弊害に成る時がある。
これからは作りたい物を考えたら先ず検索だな。
良く考えたら果物だって見た目が違うのにリンゴ味だったりする。その逆に前世と同じ物もある。
これって俺の鑑定EXで見る物全て鑑定して百科事典でも作った方がいいかな?
ありゃまた本に戻ったよ。教科書も肝心な事が出来ないと大量には出来ないんだよね。
そう! 印刷。印刷か~~ どうしようかな? 俺は出来ると思うよ俺はね。
創造魔法でコピー魔法を作ればいいんだから、でもそれじゃ駄目なんだよね。
活版印刷はまだ無理だろうから、ガリ版印刷かな、これも材料を検索して作るしかないか。
それとも学校の鍛冶で金属の硬度の違うものを作らせて、彫金で作るという方法もあるか。あ! そりゃ無理だ学校で使うものなのに学校が出来てからやるんじゃ本末転倒だ。
学校に魔法科は作らなかったけど、やっぱり魔法の世界なんだし魔法は研究しないとな。前世の記憶は魔法なしのやり方だけど、魔法ありの産業革命というのがこの世界には合ってると思う。
結界は無属性だと思うんだ。ただこれもまだ検証していないから何とも言えない。
光属性だと教会にまた権力が……
この世界の人は基本生活魔法は使える。だけどそれ以外の属性魔法は適性があるんだよな。ただ無だけは皆使えるんじゃないかと思っている。
ただ知識が無いからイメージできずに出来ないだけのように思う。
何故かというと錬成陣はイメージ出来れば誰でも使えるでしょ。錬成陣って無属性の手助けをしてるようにも取れるんだよ。
世界によっては生活魔法だって使えない世界もあるだろうし、依然考えた呪いや隷属魔法が使える世界だってあるかも知れない。
地球のように魔法自体が無い世界もある。それを証明してるのが俺自身なんだよね。
これまではどちらかというと行き当たりばったりに近かったけど、何となく方向性というかこの世界でのやり方が決まったかな。
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