第62話 話し合い2
特許についてはこれ以上話が薦められないので、これからの事全てに関係してくる、俺の考えをフランク達に話す事にした。
この前決めた
1魔法陣の本を作る
2魔法の本を作る
3魔道具は現状これ以上見せない
4魔石を今のうちに沢山回収しておく
5ポーションの発表はもう少し遅らせる
6俺が作れる物は全て本にして残す。(紙の製法、調味料など)
7俺が知っている病気の薬のレシピと製法を本にする(この世界の病気の事を知る)
このうちの1~3を除いた部分を幾分濁しながらフランク達に話した。
そのついでに魔石について勇気を出して聞いてみた、帰ってきた答えは案の定、魔石は利用されていないと言う事だった。
詳しく聞くと魔法陣が無いと言うのが一番の理由だろうが、魔境以外の魔物から取れる魔石は小さいのだそうだ。
だから一種の宝石の様な扱いなんだが、どこででも取れるから希少価値はなく、変な言い方だが前世のパワーストーンの様に扱われている。
実際魔力はあるから、パワーストーンで間違っていない。
そういう事ならと言う事で、冒険者ギルドに交渉して魔石を出来るだけ確保してくれるように頼んだ。
ポーションの改良版の販売は遅らせると言っても作らない訳ではないし、魔石はいずれ大量に必要になるから今から確保しておくと言う感じで魔道具には触れないでお願いした。
ちょっと怖いが俺が作れる物を本に残す事と、病気の研究がしたいことは伝えたので、記録には必要な紙と鉛筆を見せる事にした。
鉛筆はもう簡単に出来ましたよ、煤と粘土と木だけですから、手作りだから大量には作れませんが。
「これなんですが、記録や本を作るのには便利な物です」
始めは何も反応しなかったが、紙に鉛筆で文字を書いたら4人とも凄い形相になった。
「ユウマまたとんでもないものを……」
「ユ! ユウマさんこれは凄いです。羊皮紙に代わるものですよね」
これで驚いてるとこの先、本を作るのにどの方法を取るかまだ決めていないが、印刷技術を教えたらどうなる事か?
「この紙と鉛筆を作る職人が必要になる、だからフランクに相談したんだ」
その後、紙と鉛筆を作るのに必要な材料を教え、製法は今までと同様研修をして教える事と必要な道具は最初だけ俺が用意する事を伝えた。
フランクの顔が青い、今有る物だけでもやっと販売できるようになりそうなのに、また新たに職人から探さなくてはいけない案件が出てきた。
まだガラス職人もいないのに……そんな顔をしてる。
そこで追い打ちを掛けるように、俺がぶっこむ。
「そろそろミランダ達に弟子を取らないといけないんじゃないか? 」
これはこの先の1~3にも関係してくるし、究極の人任せの為の指導者を増やすという意味でも必要なんだよ。
最初の手段として拠点を一種の職業訓練校のようにしようと言う事、それも一期生しかいない学校。
もっと言い変えれば教師の学校、大学を作る。
この世界の生産職は殆どが弟子制度を取っている、これも小さな学校の様な物だ、だけど今現在は殆ど研究者のような存在がいない。
だからこの研究や改善という概念を教える事の出来る教育者を此処で一度だけ育てて、後はその人たちに任せると言う事。
この先魔法陣や魔道具、魔法も教えるつもりだが、あくまでも基本しか教えないつもり、俺はお構いなしに研究も生産もするけど。(拠点では使いたい放題)
この世界は新しい物を作ると言う概念? 気概? 兎に角そういう物がなさ過ぎるから、初めはちょっと強引に進めるしかない。刺激を与えると言うのかな?
そうすれば自然に進歩する、何でもかんでも俺が教えるのではこの世界の人の為にならない、だからこの方法を取る事にした。
俺が生涯を終えるまで多分あと最低でも50年ぐらいはあるだろうから、50年もすれば世界は変わっているだろうから、その時に俺が残す知識の記録がまた世界を刺激するだろう。
こんな事はまだフランク達には言えないけど……
「もうですか?」
ローズが聞いて来た、最年少19歳のローズ、年長のミランダでさえまだ21歳だ。
この世界の成人は15歳だから成人して直ぐ弟子に入ったローズでも4年目、3年で錬金術のスキル持ちになったは凄く早いらしい。
ミランダとエマも4年目にスキルが生えたそうだから三人ともかなり優秀。
10年でやっとと言う人もいるらしいから、スキルの発生は本当に解らないことが多い。
スキルが生えてからも習熟度いう関門が待っている。これもこの世界の発展の妨げになっている要因の一つかも?
習熟度、これもただ同じ物を作り続けても成長が遅い、レベルと同じで同じ魔物を倒し続けても成長はするが時間が掛かる。これと同じ。
ただスキルの発生はそれの逆、同じことを繰り返すことで発生する事が多い。それだけではないようだが。
「だってもう此処で作ってる物はもう完璧に作れるでしょ? ポーションも上級の改良版まで作れるし。今この世界でも有数の錬金術師だよ三人は」
俺からすればまだまだだけどもう十分に弟子を取れるレベルに三人は到達してる。
普通ならあり得ないことだけど、この世界で弟子を取れる基準が上級ポーションが作れることが条件だそうだから、三人は全く問題ない。
「そうだな、そうだとは解っているんだけど、人探しか~」
しょうがない助け舟を出すか、人探しは必要だけど法律が施行されるまでは色々制約があるのは解ってるから。
「まぁ直ぐにはこちらの受け入れも出来ないから、法律の施行までに受け入れの準備をして、施行後大々的に求人を掛ければいいんじゃない?」
それまでにフランクにはガラスの基礎と応用を出来たら錬成陣で材料の分離もやって貰おう。
ミランダ達三人には錬金術の本(教科書)の作成を手伝ってもらいながら商品の生産をやって貰う。
俺は拠点に紙と鉛筆の工房、弟子の為の寮を作る(食堂、大浴場付き)。
最終的にこの拠点は研究だけをする施設にして生産は外部でするようにしないとな。
この後も皆でワイワイ色んなことを話してると夢がどんどん広がり作りたい物や、やりたいことが増えていく。
調味料、さしすせそ。 蒸留酒……米食いてー
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