第38話 森での女性陣

 取引に行くと、いつもの森の入り口にはもう既に全員そろっていた。


 今まではこちらが少し待つ方だったのに、今回はそうではなく、待ち構えていた。

 特に女性陣が……


 燻製品の取引を終え、今回初めて会う錬金術師の女性たちに挨拶をすることに。

 一人はミランダ、この村の錬金術師だ。


 その他にミランダの友人で領都の錬金術師のエマとローズに挨拶する。


「初めまして、話は聞いてると思いますがユウマと言います。宜しくお願いしますね」


「ミランダです。こちらこそ良しくお願いします。それからこの子がエマで、この子がローズです。」


 今回は女性が多いので移動の時間が掛かるだろうから、フランクに言って直ぐ出発することにした。


 道とまではいわないが、俺が何度も往復してるので、獣道よりは歩きやすいので、女性陣も何とか歩き通して、前回同様途中一泊して俺の家に辿り着いた。


 今回も結界の魔道具などには驚いていたが、錬金術師以外はグラン達から話を聞いていたのかそれほどでもなかった。


 ただ、この後から家に着くまでの間、錬金術師たちの目が怖かった。やはりそこはジャンルは違えど職人なんだろうな、初めて見る物への興味、好奇心、しかし何でだろうな?


 こういう態度になるのに新しいものを作り出そうとはしない。停滞、保守、本当にこの世界は歪だ。


 昼過ぎに拠点に到着したので、新しく作った女性用の建物に女性陣を案内し、風呂以外の設備の説明をした。


 俺の家の風呂は大きいので、流石に二つ目を作る必要はないと思い作らなかった。


 家の設備は、グラン達が帰った後に作ったものだから、フランク一家も知らないので、今度は全員結界の魔道具同様の反応をしたので、今夜夕食後にまとめて話をするということで納得させて錬金術用の小屋など、この拠点にある物を紹介して回った。


 設備の他にも錬金小屋に置いてある。ガラス器具を見た錬金術師たちは興奮したし、最終的に俺の家を案内したときに見た、ガラス食器やカラフルな陶器などでも全員が興奮していた。


 案内が終わってから夕食まで時間があるので、森の行軍と言う女性陣には決して楽ではないことをしたけど、興奮していて疲れを感じていないだろうが、後で体調を壊されても困るので、俺の作った初級ポーションを飲んでもらって、夕食までゆっくりしてもらうことにした。


 ポーションを飲んだその時も錬金術師たちは首を傾げていた。自分達が作ってる初級ポーションと違うのに流石に作り手は気づいたようだ。


 錬金術師たちにはまだポーションの話はしていない化粧品の話だけだ。いずれ作って貰う予定で錬金術師たちを雇ったことはまだ内緒なのだ。


 ポーションの事を説明するのが怖い、今までの本業だから化粧品も作りたいだろうが、それ以上にポーションに興奮して、追及が凄い事になるだろうと想像できるから。


 夕食の時間が来て俺の家に全員が集まって食事をする。出てきた料理にまた全員が興奮する。グランから話は聞いているだろうが、やはり実際に自分が食べるのは全然違うのだろう。


 まだ醤油や味噌は出来ていないが、調理法だけでも違うのだ、揚げ物、蒸し物、植物油を使ったドレッシングなど、食べたことのない物ばかりなのだから。


 食事も何とか乗り切って、食休みの後お風呂に案内した。


 前回は男だけだったから、俺が一緒に入って説明できたけど、今回はそうはいかないので、事前に使い方や風呂の入り方を説明した。


 その時に、最近作ったドライヤーのような魔道具にも驚いていた。


小さな魔石二つに火魔法と風魔法を込めてそれぞれに魔力を通すと、暖かい風が出るようにした筒状の簡易的なものなのだが、これで髪の毛を乾かすと説明したら大興奮、女性は髪が長いからこれまで乾かすのに時間が掛かり大変だったそうで、是非これも売り出したいと言い出した。


火魔法と風魔法では、本来のドライヤーにはならない。熱と風なのだ。


 だから、俺はそれを止めた。まだ完成品ではないからと。完成すれば勿論販売はしていいが、それまでは必要ならこれと同じ物をいくつか作るから、それで我慢してくれるようにお願いした。


 その時丁度良いから、錬金術師もいるから錬成陣とは別に魔法陣は無いのかと聞いてみた。


 鑑定疎外の魔道具はあるのに、竃や水を出す魔道具、勿論光の魔道具もないのだ。

 これらは魔法を込めて作ってるから作れそうな物なのにない。


 本当にこの世界は解らない? どういう基準で、ある物ない物が決まってるのか、答えが出ない。


 魔法陣がないからなのか?その疑問を解消するのに聞いてみたのだ。


 答えは魔法陣はなかった。ではなぜ鑑定阻害の魔道具があるのか? その答えはダンジョンだった。


 アイテムバック同様、ダンジョンで見つかるそうだ。数は勿論見つからないが、元々鑑定を持ってる人がそれほど多くないないので、十分需要と供給が間に合ってるそうだ。


 欲しがる人は自分のステータスをみられたくない人と鑑定を持ってる人だけだから。


 これは俺が創造魔法で魔法陣魔法を造れば出来る事が増えるということ、それを本にすればこの世界に広まる。


 今は魔石の大きさで調整してるが、魔法陣が出来れば大きさに関係なく小さな魔法が込められるので効率が良くなる。


 俺が魔法陣魔法と創造魔法の合成魔法を発動すれば、俺の作った魔法の魔法陣が解るようになる。その魔法陣を書き留めれば、研究次第で魔法文字が出来上がるかもしれない。


 魔法文字が出来れば、創造魔法がなくても魔法が作れるように将来なるかも?





















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る