第35話 森の生活も変化

 ロイスがベックの息子たちとレンガ工房の話をし、他の跡を継げない農家の息子たちを紹介して貰ったりして、レンガ工房の準備を進めてる頃。


 ユウマは家に帰って、先ずは燻製品を作り終えて、それから石鹸などを作るためのガラス器具を多めに作った。


 何故かこれは絶対作らないといけないという、予感がしたからだ。


 それと同時に、ハンドクリームと化粧水も作った。石鹸を作った時に沢山グリセリンが出来ていたし、精油もあったので、森で魔物のハチの巣も採集してから作った。


 虫の知らせ? 作らないとまずいことになる。そんな気がしたから。


 時間が出来たユウマは、かねてからやりたかったレベル上げと森の調査の為に、森の奥の探索に出かける事にした。


 これまでは食べられる魔物と言うことで、ウルフは無視してたけど、これから寒くもなるので、毛皮は売れるだろうと、ウルフも狩ることにした。


 ゴブリンは害悪でしかないので、即始末。


 森の奥に進めば進むほど、魔物のランクも上がり、ホーンラビットのような魔物はでなくなる。


 代わりにオーガや場所によっては虫系の魔物も増えてきた。


 レベルもぐんぐん上がってるが、ステータスは後で確認することにして、植物も見たことない物が沢山あるので、鑑定をフルに使って、使えそうなものは片っ端から収納していく。


 結構進んだけど、まだまだ森は深い、いったいどれぐらい大きな森なのか、見当もつかない。


 直線的に進んだので、今回はここまでにして、帰りは左右に範囲を広げて帰ることにした。


 範囲を広げたことによって帰りは余分に1日かかり、野営もした。


 家に帰って、今回集めたもので色々作れた。一つはクモの魔物の巣は、それ自体が凄い強度の糸で、加工すれば使えると鑑定に出たので、集めまくって、家で加工した。


 胡椒に似た植物は乾燥させて胡椒に、以前見つけていたメープルの樹液からも、メープルシロップを作り、それによりまた食事の味に種類が増えた。


 勿論、領都で見つけた大豆の代わりになる豆で醤油とみその仕込みもしている。それ用の倉庫も別々に作った。


 森の奥の魔物の持ってる魔石もレベルが高いので大きさもあり、火の魔法を付与して竃と風呂に設置した。


 勿論、水魔法も付与してなんちゃって蛇口を作り、これもキッチンと風呂に設置した。


 小さな魔石には弱い魔法をイメージすれば弱火も作れた。


 自分の魔力でも同じことは出来るが、魔石の魔力を利用した方が効率が良い。


 この世界の魔法は本当に便利なのだ。イメージさえ出来れば何でもできてしまう。

 それなのに、ここの住民はそれをしない。


 今はイメージを魔石に直接付与してるが、錬成陣があるのだから、魔法陣もあるはず、これが勉強出来ればもっと色々作れるようになるだろう。


 魔法陣があるのに、なぜ魔道具が少ないのか?


 これが本当に謎、あるとすればこの世界の人の気質だろうか?


 今あるもので、問題ないなら、便利にしようとしないのだ。


 今度領都に行ったら、絶対図書館で魔法陣の本を探して勉強するか、グランに頼んで探してもらおう。


 そうそう今回の調査で泥炭も見つけたんだよね。大麦を手に入れたら、麦芽から水あめとビール、ウイスキーを作ろうかな。


 それには鍛冶を出来るようになるか、蒸留ポットを作って貰わないといけない。


 そういえばリヤカーは完成したのかな? 試作品は見たような気がするけど、それっきりなんだよな。


 いずれは馬車の改良もしたいよね、テンプレだし。


 忘れてた、ステータスの確認


 名前 ユウマ コンドウ (近藤優真)

 種族 人族

 状態 良好

 職業 商人

 レベル 10(35) 

 HP 550/550(1800/1800) 

 MP 820/820(2820/2820)   

 スキル (言語理解EX) 鑑定(EX) 

    (インベントリEX)アイテムボックス

     気配遮断 気配感知 魔力感知  木工 陶器(付与術)

     (錬金術)(調合)

 魔法スキル  風魔法 水魔法 (土魔法 火魔法 光魔法 闇魔法 無魔法)

(固有スキル) (創造魔法)

 称号  (創造神の加護)


「上がったなレベル35、人族最強までもう少しだよ。」


 この世界に来てまだ2か月たってないんだぞ、どこまで上がるんだろう?

 途中で上昇速度は下がるとは思うんだけど? 限界はあるんだろうか?


 森での生活もどんどん良くなってる、でもまだまだ出来ることはある。


 前世でこんなに働いていれば、もう社蓄同様なんだけど、何故か今はそう感じない。やりたい事と義務感でやってたことの違いだろうか?


 確かに神様に意図があるようには感じてるが、だからと言って義務感まではわかない。


 俺が作りたいと思ったものが、この世界にない物で、それを最終的にこの世界の人に作らせる。最後まで自分が関わらないでいいことが義務感を生まないのかも。


 それに一番は作ったもので、人が喜んでくれると言うのが良いのだろう。


 これから先どうなるかは解らない。避けていてもトラブルが舞い込むかもしれないが、最悪は逃げればいいんだと思えば気が楽だ。


 兎に角、今は自分を成長させながら生活を充実させて、プチ産業革命を楽しむ。











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