第12話 生活環境向上

 森に入る前に、リヤカーをインベントリに入れ、そこからは来た時と同じ高速移動。

 やはり2時間ぐらいで我が家に到着。朝出て夕方には戻って来たのに、何だか何日も空けてたように思えた。


 それだけ村での出来事が濃厚だったのだ。今日はこの後適当に食事して、風呂だけ入って寝ることにした。


 買ってきたもので、色々するのは明日から今日はもう満腹です。精神的に……


 翌朝、昨日早く寝た為今日も昨日同様、空が白む頃に目が覚めた。


 まだ朝食には早いので、昨日買ってきた物の整理から始める事にした。


 買ってきた物はまだリヤカーに積んだ状態で収納されていたので意識をリヤカーに集中すると、これもインベントリEXの便利さ、解体同様品物ごとに分類できた。


 解体も解体すると自分が意識しないとそのままの状態だから本当に便利だよな。

 整理すると言ったけど、一瞬で終了。


 このまま収納したままでもいいのだが、やっぱり生活感がない家は良くないので、食料以外はちゃんと使う場所に置いておく事にした。


 鍋やフライパン、包丁などのキッチン用品はキッチンに木製や陶器の食器は食器棚に並べた。


 金属製のフォークやナイフ、スプーンも今回買ってきたので、ちゃんと並べていつでも使えるようにした。


 人が来ることはないと思うが、全て5人分買ってきた。当然鍋やフライパンも大きさを変えて、何種類も……  これフラグ?  嫌々ないない。


 本当に色々買ってきたよ、草ベット用にシーツや枕やその他に何でも作れるように、布も沢山買ってきた。勿論、それには裁縫道具もいるので、これらも一式、糸は多めに。


 他にも男の一人暮らしなのに、花瓶なんてものまで……


 異世界生活、花をめでる余裕をもとうと思ったからで、決して将来美しい女性を招くときに必要ではないかとか思ってないからね。


 しょうがないじゃないか、享年38歳ある意味DTだったんだから。そこは察してくれ……


 大体整理が出来たころには、いい時間だったので、買ってきた食材で朝食を作った。

 フランクの店は本人が言うように、雑貨屋というより、本当に何でも屋、地球風に言うとスーパーに近い。雑貨もあれば、普段よく使う食品やちょっとした薬まであった。


 俺が生前使ってた、大型スーパーのように食料品やちょっとしたキッチン用品、テナントで薬屋、100均が入った店を小さくしたような店だった。


 だから、野菜やパン、調味料なんかも売っていたので、今朝はベーコンにパン、野菜サラダを作って食べた。デザートに森の果物付き。


 本当に久しぶりにまともな食事をとった気がする。


 人ってなければ無いである物だけで我慢も出来るが、やっぱり食にこだわりの強い日本人なのだろう、こういう食事が当たり前と思ってしまう。


 まだまだ調味料とかない物ばかりだが、食の向上にはこれからも頑張っていこうと思わせる、今日の朝食だった。


 米、醤油、みそ、日本人のソウルフードこれらは絶対に見つけるか、造ってやる。


 今回はフランクの店しか見てないから、もしかすると村の他の店には俺が欲しいものがあったかもしれないが、あれ以上情報を仕入れようとすると、ボロが出そうだったから出来なかった。


 最悪領都に行けば色々見つかるかもしれないが、それには身分証という問題がのしかかってくる。


「身分証どうするかな?」


 思わず口から出てしまった、独り言。

 最近多いよな独り言…… 病んできてる……俺。


 嫌々ちゃんと考えていますよ、身分証。 商人ギルドに俺が個人で申請するのはしたくないし、フランクとの取引も村の外でやるから商業ギルドに登録しなくても問題ない。


 冒険者ギルドは登録したら、依頼をこなさないと取り消しになるだろうから、村の外で取引するぐらい用心してる俺では無理。


 商人ギルドに個人としてではなく、フランクの店の従業員として登録するのが一番無難かな。


 これはフランクに身分証を無くしたという設定の話をした時に、俺の事情で出来る方法の一つとして提案されたこと。


 この方法を使うにしてももう少し取り引きが継続しての話なので、今は気にしないことにする。


 食事が済んだら、先ずは綿を買ってきたので、シーツを袋状に縫い、これを二つ作り一つには草を入れ、もう一つには綿を入れ、最後に袋を閉じて、草の方をマットレス代わりにして、その上に敷布団のように綿を入れたものを置いた。


 今日からふかふかベットで寝れる。クリーンの魔法があるから衛生面は気にしなくていいからこれは贅沢だよ。ふかふか……


 当然枕も綿を入れてふかふか枕。


 毛布は普通に売ってたので購入済み、冬に備えて掛布団も近いうちに制作予定。


 このあたりの冬は山脈が近いのもあって村では雪が積もるそうだ、森は深さによってどうなるかわからないので、一応準備はしておく。


 冒険者の話から森の奥に行くにつれて雪が少なかったということは知られていて、もしかすると、俺の家の付近は降らないか降っても直ぐ解けるのかもしれない。


 これはケインと冬場の食料にについて聞いた時に教えてくれたこと。


 大体家の中は落ち着いたので、今度は自分の食べる分ぐらいだが、家庭菜園を作ろうと、結界内に作れそうな広さで、土魔法を使って畑を作った。


 当然畑には自家製消石灰も混ぜ込んでますよ。必要ないかもしれないけど一応実験の意味も込めてね。


 フランクの店で買った、野菜の種をこれは手作業で蒔いた。


 明日は、外に薪小屋や将来パンやピザが焼けるように、石窯を作ろうと思う。

 何か作るたびに生活が豊かになるっていいよな~

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