第2話 さて 何から

「さてどうしようか?」


 Web小説と38年間の人生経験でどうするか考える事暫し……。


 先ずは身の安全が第一。争い事も殆どなく、危険生物が身近にいない世界から来たんだから、身を守る方法を考えないとね。


 ここで役に立つのが、神様からの贈り物。創造魔法。


 だってこれ本当に優れモノなんですよ。チートとしか言えないの。魔法が創造できちゃうんですよ。自分で考えた魔法が簡単に。


 当然できないものもありますよ。そこは神様が限度は設けています。


 火 風 水 土 光 闇 無 の基本四属性に特殊三属性の七つからはみ出さないものという規制があるだけで、全属性が使える優れもの。


 この世界の多くの住人は生活魔法程度が使える人が殆どで、属性魔法が使える人は一つの属性が普通、全属性何て夢のまた夢、人外認定、面倒ごとオンパレードになる事間違いなしです。


 当然作りますよ。偽装、隠ぺい魔法、忘れちゃいけない異世界転移のテンプレ魔法、それでも今は攻撃魔法が先ですね。


 先ずは森の中だから、風か水かな?風なら定番のウインドカッター?


 いやいや先ずは魔力からでしょう。魔法の無い世界から来ていきなり魔法何て使えるわけがない。そこまでご都合主義ではないのですよ。


 それでも魔力と言えば丹田、これは合ってるんだよね。精神を集中してこの世界に来て感じる体の中の違和感、これが魔力?


 丹田から意識して全身に血管をイメージしていきわたらせるように違和感を動かす。なんだか体がポカポカする。初めての感覚。


 それを10分ほど続けていると、慣れてきたのかポカポカ感はなくなり違和感もなくなった。意識して手に魔力を集めることも、それからは簡単にできるようになった。


 それでは改めまして、ウインドカッターを試しますか。魔法はイメージこれは神様に聞いていたので、実践あるのみ。


 魔力をどれだけ使うのかは解らないので、これぐらいの威力というイメージも同時に。「ウインドカッター!」これ本当は無詠唱でもできるんですが、初めてなので言ってみたかった。


 異世界テンプレの誘惑に勝てなかった俺。危機感無さすぎ!


 見えないけど、感覚的に風の刃の様なものが飛んで行ってるのがわかる。これが魔法かぁ。そう感じていたのも束の間、目標にしていた巨木にかなり大きな傷が出来た。


 威力もイメージしたからこの程度だけど、魔力に問題なければイメージ次第では、この巨木も簡単に切り倒せるんでは? 人間に使ったら? こわ! 人間には使わないようにしよう。 


 次はウォーターカッター。


 イメージはこの世界の人とは違うかもしれないが、高圧洗浄機の強化版をイメージして飛ばすわけではなく、水流で切ると言う感じかな?


 これも中々の威力、とりあえずはこれで身を守れるかな?


 これでどのくらい魔力使ったかな?


 ステータスを見てみるとMPが10減っていた。固有スキルの創造魔法は魔力を使わない便利スキルだけど、それでも出来た魔法の発動には魔力がいる。


 別々に見ていないので、一つの魔法での魔力量はわからないが、二回の魔法でMPが10減ったことはわかった。魔力には限界があるんだから、これは後に検証ということで、今は温存しておこう。


 ステータスには風魔法、水魔法のスキルが当然できていた。


 うっそうとした森の中だからわかりづらいが、木々の隙間から見える太陽の位置からするとそろそろ昼頃、水はいいとして、生きるための衣食住の確保から始めないとね。


 とりあえず生活するのにいい場所はないかと、周囲を警戒しながら移動、食べられそうなものを定番の鑑定を使いながら、インベントリEXに収納していった。


 当然、鑑定先生のおかげもあって、薬草類も同時に収集、これは落ち着いたら、ポーションの研究に使う予定。


 しばらく歩くと川に出た。そこは少し森が開けていて岩肌がむき出しになった小さな丘もあり、遠くには滝が見える、なかなかの良い場所だった。


 しかし、こいう場所は当然森の住人も使うわけで、いましたよ異世界定番のゴブリンが、多分ですけど、間違いないと思います。


 何故か地球ではやってるコミックに出てくるゴブリンの容姿にそっくりな魔物。何で? 疑問も当然ですが、ここは深く考えないで倒すことに集中しましょう。


 なんといっても初戦闘、生き物を殺すと言う、現代日本ではそう簡単に経験することがない行為。


 それでも、これからこの世界で生きて行くためには、必要なことだと言い聞かせながら、浅瀬で魚を取ることに一生懸命な3匹のゴブリンにウインドカッターを連続で三発はなちました。


 狙いはもちろん首、見えない風の刃はゴブリンが気づく前に、見事命中!あっさり三匹とも首を跳ね飛ばし、あっけなく初戦闘終了。


 多少の罪悪感は芽生えたが、そこはそれ、若返る時に神様が精神に、何かしてくれたのだろう。戦利品である魔石の回収に向かうのだった。


 だが、魔石の回収をするにも、刃物がない。それに近づいてわかったのだが、思わず鼻をつまむほどに臭いのだ。


 小説やコミックではわからない、本当の生き物の臭い。

 ゴブリンが臭いと言うのは定番なのだが、実際に直面する臭いがこれほどとは。


 それでも鼻をつまみながら、片手で刃物の代わりにウォーターカッター俺版を発動、解体、魔物の多くが心臓付近に魔石があることは神様に聞いていたので、無事三匹ともなんとか回収することが出来た。


 これ後から判明したことですが、神様がくれたインベントリEXも実はチートでした。この世界のアイテムボックスとは全く違う仕様だったのです。


 これが判明した時の何とも言えない気持ち、それでも良い経験になったと自分に言い聞かせ、それからは一切自分で解体することがなくなった。


 何とも俺らしい出来事でしたよ。

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