第47話 今のもスルーで良いんじゃない
「本日の中継は、西日差し込む生徒会執行部室前、中庭側テラスよりお送りしております。司会は
「はい、よろしくお願いします」
「さて、もうひと
――ガタガタガタ、ブルブルブル。
「千春さん、千春さん? 千春さんの態度が少しおかしい様ですね。どうしましたかねぇ、解説の
「あぁ、これは完全にビビってますねぇ。千春ちゃんはエロに関しては極度な
「はぁ……そうですか、致し方ありませんね。それではコメンテーターの千春さんには、復活し次第、コメントの方を頂いて参りたいと思います。それでは早速、現場の方を見て参りましょう。いやぁ、それにしても解説の
「そうですね。我々が
「はい、確かにそうでした。男性の方はどうやら現職副会長の
「えぇ、そうですね。あの
「なるほどぉ。それではお相手の女性ですが……えぇっと、今年の生徒会改選の際に
「はい、お相手の女性の方ですが、第一印象からして、完全なお嬢様である事が見て取れますねぇ」
「ほほぉ、それは一体どう言う事ですか?」
「まず第一に、ヘアスタイルですね。ミディアムのゆるふわハーフアップ。これは面倒ですよぉ。毎朝のセットだけで一時間は掛かる事請け合いです。登校十分前にようやくベッドから起き出す私には、絶対にマネができない髪型と言えるでしょうね」
「ほほぉ、なるほどぉ。本来ですと
「そうですね。次はネイル……でしょうか。あのネイルは手が込んでますねぇ。ギャルの様な付け爪と言う訳では無く、よく手入れされたネイルである事がうかがえます。あれだけのネイルを維持するとなると、ほぼ家事手伝いは行っていないものと推測できますねぇ」
「なぁるほどぉ、流石は解説の
「えぇ、私ぐらいの達人になりますと、SNSでのファッション警察時代の頃より、この手のお嬢様はイヤと言うほど目にして来ましたから。まず間違い無くお嬢様とエセお嬢様は見破る事ができますね」
「流石は
「はっはっは……そうでしょうとも、そうでしょうとも。何しろ先週より既に一キロほど体重が増えましたからなぁ。やっぱり、先週から発売されたコンビニスィーツの『まるごとスモモ』、あれがメチャメチャ
「「……」」
「さて、続いて現在の状況ですが……」
「え? 今のもスルーですか?」
「はい、面白くないので」
「くっ!」
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