第36話 咥えてくれても良いじゃない

「女装が似合うって意味ではパル子ちゃんがトップクラスなんだけどさぁ……かわよすぎて、イケメンじゃ無いしぃ」


「イケメンじゃなくてスミマセンねっ! だったらどんな人が良いんですかぁ?」


「そうだねぇ。例えて言うなら……副会長の東雲しののめ先輩……かなぁ」


「あぁ! そうですねぇ。東雲しののめ先輩って確かに女装が似合いそうなイケメンですよねぇ」


「でしょぉ!」


「それに東雲しののめ先輩って隣に居ると、とっても良い香りがするんですよねぇ。それだけで、ちょっとイケメン度がアップして……」


「え? パル子ちゃん、今なんて言った?」


「へぇ? イケメン度がアップゥ?」


「いやいや、もうちょっと前」


東雲しののめ先輩がとっても良い香りがするって話ですか?」


「そうそう、それそれ。どうしてパル子ちゃんったら、東雲しののめ先輩の香りを知ってるの?」


「あぁ、それは毎週生徒会に顔を出してるからで……」


「えぇぇぇ! どうしてパル子ちゃんが生徒会にっ?!」


「あぁ、それは私が説明してやろう。現在の茶道部は私とパル子の二人だけ。って事で、パル子は茶道部の副部長なんだ。この前説明した通り、茶道部は今年文化委員長の当番だからな。当然、副部長のパル子は、文化委員会副委員長として生徒会の会議に出席してるんだ」


「まっ、マジかぁ!」


「あぁ、マジだ」「えぇ、マジですよ」


「パル子ちゃん」


「はい、なんでしょう」


「私に……副部長の座を……ゆずってもらえまいか?」


「ちょっとナニ言ってるのか良くわかんない」


「こらこらパル子ちゃん、それは私のギャグだよ」


「いやいや、富澤さんのギャクでしょ?」


「えぇぇ! そこを何とかっ! 何とかならねぇだかぁ? 何でもするからぁ。なんだったらパル子ちゃんのナニをくわえてあげるからぁ!」


「え! ホントですか。それなら良いですよ」


「いや、それで良いんかいっ!」


「えぇ、別に副部長になりたくてなった訳じゃありませんし。それにくわえてもらえるんだったら、一回お願いしてみたいなぁって」


「いや……マジかっ……でも私、一回もくわえた事無いけど……」


「大丈夫ですよ。私だって一度もくわえられた事ないですもん」


「いやぁ……あのぉ……でっ、でも……私にはちょっと……早いかなぁ……って」


「早いなんて事はありませんよ。人間、いつかは通る道ですから」


「いっ、いつかは通るの!?」


「えぇ、通りますよっ、私が通して見せます」


「パッ、パル子ちゃんったら強気っ!」


「それじゃぁ早速……」


「パパパ、パル子ちゃん。いっ、いま、ここでっ!?」


「えぇ、そうですよ。つむぎちゃんの気が変わらないウチに」


「ほっ、ホンキなのっ!?……えぇっと……そのぉ……」


「さぁ、つむぎちゃん。覚悟して下さいっ!」


「はっ……はひっ!」


つむぎちゃん! さぁ! さぁ!」


「ひっ、ひぃぃぃぃ!!」


 土下座で許してもらった。

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