第34話 一周回さない方が良い事もあるんじゃない?
「まぁ百歩譲って、その弁当はお前が作った弁当だとしよう。で? 具体的に
「そうだね。昨日の夜は確か……明日のお弁当はハンバーグが食べたいなぁ。って伝えたんだよ!」
「それって、単なる注文じゃねぇか。もしそれで知的財産権を主張するって言うなら、レストランで出て来た食事は全て注文した人間に知的財産権があるって事になるぞ? だいたい、ハンバーグの何処に
「ぐぅっ! ……グゥの
「まぁ、最初に割とあからさまな形で『グゥ』の
「ちーちゃん、殺生だよぉ。ボケを放置するなんて、殺生だよぉぉ!」
「なんだ、なんだ? あいも変わらずこのメンバーは
「なんだ
「他のみんなは学食に行ってるよ。私は日直で職員室に行ってたから少し出遅れちゃってさぁ。どうせ後から行っても混んでるし。職員室の帰りに購買でパン買って来たんだ」
「そうか。どうだ
「うん、問題無いよぉ。どうぞぉ」
「えぇ、もちろんです」
「へへっ、ありがとっ! ……よいしょっと。そういえばさぁ、
「あぁ……そうかもしれませんねぇ」
「アタシ
「あぁ、はい。もちろんよく存じ上げております。よろしくお願いします。
「私の事は
「えぇ、もちろん大丈夫ですよ」
「コラコラ
「いえいえ、とんでもない。全然平気ですよ。えぇっと、私のあだ名の由来はですねぇ……」
「あぁ、それって名字が渋谷だからって事?」
「まぁ、それもあるんですけどぉ。元々私の名前が『
「それでかぁ……でも、どうして『はる子』が『パル子』になったの?」
「あぁ、それは
「なんだ、やっぱり
「えぇぇ。だって名字が渋谷だからぁ?」
「なぜに疑問形? って言うか、結局一周回って名字が渋谷だからなんじゃん!」
「あははは。そう言われてみれば、そうですねぇ」
「そんでもって、パル子は千春が大好きなんでしょ?」
「えぇっ!? どどど、どうして!?」
「そのぐらい見てたらスグに分かるよぉ」
「あのぉ……えっとぉ……そのぉ……」
「コラコラコラ、
「あぁっ、千春ちゃん。だだだ、大丈夫ですよ。えぇっとぉ、どちらかと言うと……そそそ、そうですねぇ」
「あははは。照れたパル子はマジかわよだよなぁ。ホントお人形さんみたいなんだもん。って事はさぁ……うぅぅん? パル子ってさぁ、外見はお人形さんみたいな美少女だけど、体は男子で、でも中身は女子なんだけど、大好きなのが女子って事になるんだよねぇ」
「まっ、まぁそう言う事になりますねぇ」
「それってつまり……一周回って、普通の男子が女装してるだけって事なんじゃないの?」
「ん? ……うぅぅん? そっ……そうなの……かなぁ? アレぇ?」
なんだかこんがらがるので、この話は一周回さない方が良いかもしんない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます