第15話 肩まで入ったら良いんじゃない
「ふえぇぇぇ。アチ、アチィィ! いやぁ、流石にアレは参ったねぇ」
「参ったもなにも、アレはお前が訳も分からず
「まぁね。確かにそう言われてしまえばその通りなんだけどさぁ……って言うか、話は変わるけど、ちーちゃんって、いつもすごく堂々としてるよねぇ」
「ん? いったい何の話だ?」
「だってさぁ、サウナに入る時とか、今みたいに出て来る時も、自分の前の方って、全然隠さないんだもんねぇ」
「あぁ、そう言う事か。確かに女性としては隠す場所が上下二か所ある訳だからな。それなりに配慮は必要かとは思うのだが、私は髪が長いし、すぐに痛んでしまうと言う事もあって、サウナに入る時には髪にタオルを巻いておきたい派なんだ。つまり、それ以外の部分については隠す事を既に
「なるほどぉ。って言うか、恥じらいを
「そうだなぁ。ただ見られたからと言って減る訳でなし。しかも胸に至っては
「まぁね。ちーちゃんの言う事にも一理あるけどぉ……。よし、それじゃあ私も隠すのはヤメて、堂々と浴場を
「そうかぁ? 恥じらいなぁ……恥じらいとは少々異なるが、一応他人様には迷惑をかけないように気は遣っているいるつもりだぞ。たとえば湯舟に入る時なんか、流石に他人様の目の高さに自分の股間が来る様な時には、少なからず隠す様には留意しているしな」
「ふぅぅん。なるほどねぇ。 で、この次はどうするの?」
「あぁ、十分に汗をかいたからな。そこのかけ湯を浴びて軽く汗を流した後に、水風呂へ入ろうと思う。これこそがサウナの醍醐味ってヤツだな。ほらほら、ぐずぐずしてないで早く行くぞ」
「うへぇ……水風呂かぁ……かなり苦手そうだなぁ……」
「まぁまぁ。そう言わず、
――ザバァァ
「うわぁ、ちーちゃんスゴーイ! 水風呂に肩まで入っちゃったぁ!」
「うむっ。先程までの
「ううぅっ! ひやっ! 冷たぁぁぁぁい! あぁぁぁぁ、だめ駄目ダメッ! 全然無理っ! うきぃぃぃぃ!」
「
「うっ……うん。……でも、ちーちゃんも……ちゃんと浸かってるから……私もっ……あはんっ……うふんっ……」
「おっ、おいおい。ちょっと……なんだかなぁ。うぅぅむ。頑張っているのは分かるんだが、そのぉ……なんて言うか、ほら。そのぉ……声? って言うか、ほとんど『あえぎ声』にしか聞こえんのでなぁ。もうちょっとボリュームを下げてもらえないものかなぁ……さすがに人聞きが悪いぞ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます