第14話 転生

 ……こ、ここは……


 フッ、どうやら無事に転生を果たしたらしい。


 あんな苦しみに満ちた現世はもう二度とうんざりだ、ヘッ。


 ここにそんなものは、これっぽっちもない。


 右を向けば満たされて、左を向けば満たされる。


 ん、喜びの形は人ぞれぞれだって?


 ああ、そんなことはもちろん知ってるさ。


 だがな、ここにはいつでも永遠の楽園があるんだよ。


 坊やたちよ、刮目せよ――。




 ギイィッ。


 扉が開く。


 すると、ひとりの女神がこちらに微笑んでいた。


 これだ。


 まさしくこれなんだよ、求めていたものは。


 ドッ、ドッ、ドン、ドン……。


 次第に鼓動は高まっていく。


 これから先の未来が眩しすぎて目がくらんだ。


 こ、このひかりは……。


 ひかりはあふれた。


 あふれすぎて、とどまることを知らなった。


 そして、ひかりの中からはいっそうに輝く泉がわきだす。


 口の中にそれを含んだ。


 ……沁みわたる。


 全身くまなく沁みわたる。


 ……湧き上がる。


 はらの底から湧き上がる。


 これが、……喜びと……いわれる、もの。


 なにもかもが満たされるようにしてまぶたを開いた――――。




 やあ、味噌汁まみれのゾン美さん。

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