第4話 ステータス

相手の目的がはっきりしたせいか、初めは先生が、そして生徒達が続々と校舎から出始めた。その中には結の姿も。


「柳也!」


「おお、唯か。大丈夫か?」


唯は俺の話を無視して、俺に抱きついてくる。


「おっと、どうしたんだ?」


「柳也のバカ!本当に死んじゃうかと思ったよ」


「例え異世界でも俺は俺だ。そう簡単に負けてたまるかよ」


「唯ちゃんの言う通りだ。俺だった心配したんだからな?」


「そ、そうですよ!」


「蓮も凛もかよ。そんなに弱かねぇよ。こちとらリアルチートやぞ?ぽっと出の騎士に負けてたまるかっての」


「にしてはお前強くなかったか?」


「お前ラノベ愛読者だろ?そんなんスキルのおかげに決まってるだろ」


「やっぱスキルがあんのか!」


「イレギュラーな事態が起こったらまずはステータスを出現させる。お前、ラノベの会の会員だろ!それくらいやれよ!」


「い、いやぁ、常々やろうとは思ってたけど、本当にそんなことが起こるなんて思ってなかったからな。てか、本当にそれを実行に移したお前がすげぇな」


「ふっ、伊達に会員番号00001をキープしてないからな。てかあのタイミングで生徒会長よくでしゃばれたな。やはり、ラノベの会は全校生徒入会必須にしておけば良かったのか?」


「まぁ、あいつの性格的に柳也が自分より前に出てるのが許せなかったんだろ。もしくは単純に帰りたかっただけかもしれないしな」


「俺はそう考えられないな」


「全員出てきたか?ならばこれからの流れを説明しよう。勇者様方にはステータスを鑑定して頂く。こちらにある水晶に触れればステータスがみれるようになっている。しかしそれは自分にしか見えん。自分のステータスを確認した後、自分の職業とスキルを申告してくれると助かる。能力値も申告して欲しいが、自分の情報はなるべく秘匿したいと思うので強制はせん。職業とスキルを報告してくれんと、スキルに合った訓練をさせることが出来ん」


俺は聞いていて疑問に思った。ステータスって自分で見られないのか?


「なぁ、王様が言ってることが正しいならステータスって自分で見れないらしいぞ」


「そうみたいだな。俺は鑑定を持ってたから見れたってことか?」


鑑定のレベルは1。てことはステータスにはもっと見るべき項目があるのかもしれないな。それをあの水晶で確認できるならそれだけでも得がある。


「ではやりたい人からどうぞ!」


推奨の前に立っている人が言った。あの状態だとなんか怪しいな。水晶のの裏にでも映るんじゃないか?そう考えてしまうのは俺がひねくれているからだろうか?しかしこういう見なれない体験はやってみたいのか続々と並んでいく。それを整理する騎士が大変そうだ。


「そういや、お前ら自分の持ち物は持ってきたか?」


「何でだ?」


「異世界といえば中性ファンタジーだろ?その頃における俺らの持ち物は珍しいの一言だ。それをコレクターとかオークションにかけるとかすればすぐに金が手に入る。バッグとか服とかも売れるだろうし、スマホは無理があるか。でも金が簡単に手に入る」


「そうだったな!」


「どうする3人のも持ってこようか?」


俺がそう言うと3人は首を縦に振る


「俺はにはアイテムボックスのスキルがあるから取って来てもバレないだろうし」


「アイテムボックスって有名どころじゃねぇかよ!」


「これこそ勇者補正ってやつだな。んじゃ」


あそこの騎士たちは整理しているようで、意外に各々の挙動を見張ってる。以外にしっかりしたヤツらだ。


「異界より来たるは避役カメレオン。万物を欺く偽装者」


俺はそのまま校舎まで駆けていく。そしてそれぞれの荷物を回収し、もとの場所まで戻る。


「ほら持ってきたぞ。でも俺のアイテムボックスに収納しとくから、必要な時は言ってくれ。ま、電波も届かねぇからスマホなんて意味ないだろうけどな」


「サンキューな。後はあの行列に並ぶだけか」


蓮はあからさまに嫌そうな顔をする。そんなの俺だって嫌に決まってんだろ!


「ああ、そうだな。でもその前にこの4人である程度話し合おう」


「な、何を話すん、ですか?」


「例えばあの水晶に触れた後、その情報を共有するとか、この4人でバーティを組むとかだな」


「「それは賛成(です)」」


「そうか。でももしかしたらパーティのバランスが悪いかもしれない。極端な話全員が剣士とかな?だからある程度は増やす人員も決めておいた方がいい」


「えー、私は魔法使いがいいなぁ」


「そんなんだったら俺も剣士がいいぜ」


「お前の場合は《剣》士じゃなくて《拳》士だろ?」


「まぁ、どっちにせよ正面で戦えるなんてワクワクすんじゃねぇかよ!」


「ラノベあるあるはやめろよ?初めはイキってて、魔物にビビって使い物にならなくなるやつ」


「んな事になるかよ!凛は?」


「わ、私は医者になりたいです」


「「「医者ぁ!?」」」


「は、はい、その、傷ついた蓮を治してあげれるようにと思って······」


「······凛!」


「は、はい!」


「俺も絶対にお前を守るからな!」


「う、嬉しいです······」


「「ハイハイ、ゴチソウサマデス」」


全くこのカップルは見せつけてくれちゃって······。レンメ、ユルサヌ。


「お、そろそろ空いてきたな。あとの話は終わってからだな」


「よっしゃ神様仏様イエス様どうかわたくしめに凛を守る力を与えてください」


「ここは異世界だから仏様もイエス様も多分居ないな」


俺は冷静に突っ込んでから列に並ぶ。



※ここで表すステータスは本人以外に見えていません。ただ、情報共有はしているのでこの4人だけ知っているという認識でお願いします。


──────────


【名前 皇 柳也(リューヤ)】

【種族 人族ヒューマン

【年齢 17歳】

【状態 封印】

【職業 勇者Lv.1】

攻撃力:200

防御力:200

素早さ:200

魔法攻撃力:200

魔法防御力:200

魅力:-

運:-


【転移前取得スキル】

近接格闘術Lv.MAX(全てまとめました)

武器格闘術Lv.MAX(全てまとめました)

瞬間記憶術Lv.MAX(全てまとめました)

精神全耐性Lv.MAX(全てまとめました)

全知思考術Lv.MAX(全てまとめたした)

王者の仕草Lv.MAX(全てまとめました)


【スキル】

聖剣術Lv.1

四属性魔法Lv.1

成長率10倍Lv.1

鑑定Lv.1

アイテムボックスLv.1


──────────


──────────


【名前 柊 蓮(この世界での名前をつけてください)】

【種族 人族ヒューマン

【年齢 17歳】

【状態 元気】

【職業 剣聖Lv.1】

攻撃力:300

防御力:150

素早さ:250

魔法攻撃力:100

魔法防御力:100

魅力:500

運:100


【転移前取得スキル】

ボクシングLv.MAX

空手Lv.MAX


【スキル】

剣術Lv.1

剣聖術Lv.1

成長率10倍Lv.1

アイテムボックスLv.1


──────────


──────────


【名前 皇 唯(この世界での名前をつけてください)】

【種族 人族ヒューマン

【年齢 17歳】

【状態 元気】

【職業 賢者Lv.1】

攻撃力:90

防御力:90

素早さ:100

魔法攻撃力:400

魔法防御力:300

魅力:500

運:100


【転移前取得スキル】

高速演算術Lv.MAX

情報処理術Lv.MAX


【スキル】

全属性魔法Lv.1

成長率10倍Lv.1

アイテムボックスLv.1


──────────


──────────


【名前 月浪 凛(この世界での名前をつけてください)】

【種族 人族ヒューマン

【年齢 17歳】

【状態 元気】

【職業 聖女Lv.1】

攻撃力:100

防御力:120

素早さ:80

魔法攻撃力:300

魔法防御力:300

魅力:500

運:100


【転移前取得スキル】

慈愛Lv.MAX


【スキル】

回復魔法Lv.1

治療術Lv.1

成長率10倍Lv.1

アイテムボックスLv.1


──────────


「これで全員か。では勇者様のための部屋をとってある。そこで各々休息をってくれ。昼食の際にはメイドに呼びに行かせるのでな。もしなにか不自由があるなら外にいるメイドに一言言ってくれればよい」


そうして俺らは各自部屋に案内された




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