第2章

#3チーム作り

「はぁはぁ…追いついた」

小走りして息が上がった。

男が聞いてきた。

「よし、誰に話しかけに行く?あ、そういえば君の名前聞いてなかったなぁ」

そういえば名前…名前…

まじか、

「ごめん、何故か忘れちゃったんだよね、なんでだろう…」

「なら大丈夫っ!俺もなーんかを忘れてるような気がするしなぁ、ちなみに俺は名前覚えてるぜ、砕秀信くだき ひでのぶってんだ、好きなように呼んでくれぃ」

、か…

「えーと、じゃあ、砕君で…」

「君なんて付けんなよー、なんだから呼び捨てで頼むぜぇ」

今好きなように呼べって…あと俺たちの仲って、まあ、いっか。

「じゃあ砕、僕も名前思い出せたら言うね」

「おうぅ!」

こんな話をしていたら向こうから

「ねえ!そこの大きなお兄さん!」

1人の薄いピンク色の長髪で、顔が整っていてシュッとした綺麗な女性が砕に話しかけてきた。

「最初の時の大声でみんなをまとめたやつ?あれ凄かったね!お兄さんすごい信用できるから、良ければ私とチームにならない?」

「おう!良いけどよぉ、あと一人は?」

よく見ると女性の後ろに

「あ…」

顔は女性と似ているが、髪の色が水色で女性より少し髪が短めの子が服にしがみついていた。

「これは私の双子の妹、日向ひなた、そして私が薄波 櫻さざなみ さくら

「この子はちょっと人見知りでね、あと名前も私は自分のと日向のをけど、この子はどっちもみたい、でも私が姉ってのは覚えてるみたいなの」

俺と同じだ、お姉ちゃんが覚えてるとはいえ、自分の中では一致しないしきっと不安だろう。

「そうか、俺は砕 秀信、こいつは名前覚えてないから、そうだ、仮の名前とか付けるかぁ?」

「仮の名前は、本当の名前思い出した時に混ざって変なことになりそうだから止めておくよ」

早く名前思い出したいなぁ、まあ、呼ばれたい!って訳では無いんだけど、名前が分からないってなんか怖いからね。

「えーとじゃあー、きみくんね、君の名前はきみ!」

すごいややこしい呼び名だ。

「無理に付けなくていいんですよ櫻さん……あっ」

やばい、流れで言ってしまったが、女性の名前を呼んだ…呼んでしまった。

「いや、その、えっと、なんて呼べば?」

呼ばれたい言い方もあると思うし聞いてみた。

「私はさっきのでいいわよ、日向はそうねぇ、日向ちゃんでいいんじゃないかな?」

ぐはっ…ちゃん付け…心がぁ…

「よし分かった、櫻さん、日向ちゃん、チーム組もうぜぇ!」

砕がまた上に向かって指を差した。

まあなんやかんやあって、チームは組めた。安心だ。

「みんなチーム組めたら僕のとこに集まって名前書いてね~」

ウコイックがそう言った。

「えーと、行きましょうか…」

僕はさっきの精神的ダメージちゃん付けを受けたまま、ウコイックの元へ向かった。

「じゃ、ここに4人の名前ね、忘れてたら言ってね~名無しって文字の横に僕が番号振って書いてあげるから、それが仮の名前ね~、えーと、はいっ」

「じゃあ、そこの丸の中に4人で座って待っててね~」

僕らのチームの名前がまとめてある紙が渡された。

丸は何個も書いてありそこに組めたチームを入れていくのだろう。

僕のチームはすぐ組めたからか、僕の名前は1になった。

「じゃあ1いち君だね」

「なんですぐ名前付けたがるんですか」

思わずツッコんでしまった。

櫻さんはふふふっと笑った。

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