胸糞悪い夢を見た。

AとBどちらかのボタンを押せ、と目の前にいた男に言われた。

押せばどうなる。そう尋ねても、答えは返ってこなかった。

とにかく選べと言われ、苛立ちながらどちらも見ずに適当にボタンを押した。

男はそれを見届けると、無表情のまま、こう言ってきた。

お前が選んだボタンと繋がった部屋に、毒ガスが散布された、お前がその部屋のものを殺したのだ。と。

謂れのない批難に苛々して、こう言い返した。

毒ガスが散布されたからなんだ、部屋の中を見なければ死んだかどうかわからないだろう。そもそも、死ぬような毒ガスだと確証が持てるのか、誰か部屋を見たのか。と。

男は、無表情のままだったが、では確認してこよう、ここには私以外の人間はお前だけなのだから。と言ってその部屋へ向かった。

という所で、目が覚めた。

結局、部屋の中のものが生きていたのか死んでいたのかわからずじまいだが、一つ確信したことがある。

中にいたものが死ぬほどの強さの毒ガスが撒かれていた場合、ドアを開けたあの男も無事では済むまい。

これでは、中にいたものが生きていたか確かめようがない。

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