第5話 魔封空間
──ここは
那月の緊急事態に対応するためにある世界。
その周囲に広がるのは脈動する赤。
ドクン、ドクンと一定のリズムを刻み、生きてることを示している。
別の言い方をすれば、ここは空間生命体の体内であり、意志や人格などはなく、植物のようなもので、魔力を糧にしている。
それが証拠というように、那月本体から現れていた幾つもの那月が吸われていき、消えていった。
「よし、余計なものはなくなったな」
「では、いきますよ!」
「了解」」
「分かった」
「ガーッハハハ」
「了解でッス」
「わかったわ」
「いいぞ」
「せーの!!!!!!!」
一瞬、身体が震え、那月の心臓が止まった。
と同時に、那月から流出していた魔力も、弁が閉じたように消えた。
「よし、次は蘇生だ」
「ではもう一度いきますよ。せーのっ!!!!!!!」
呪神が状態を確認して促すと、再び惣神がかけ声をかけた。
ドン、という衝撃が那月の心臓に伝わり、身体が大きく揺れた。
血流は元通り走り出し、口が空気を取り込む。
「鼓動を感じる」
「呼吸も正常、成功ですね」
「よかったー」
「ガーッハハハ」
「ひと安心でッス」
「タダでできるのは良いが、きっついな」
呪神、惣神、
「安全が確かめられれば長居は無用。帰るとしよう」
銃神が言うと、那月の手にあるシリンダーがスイングアウトしたままになっているスピールの引き金が自動的に引かれ、
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