第6話 感謝の笑顔
「あれ……」
気がつくと那月の前に見覚えのある天井があった。
そのまま周囲を見回すと、玄関、ソファー、テーブル、テレビではない四十インチのモニターがあった。
どれも那月が日常で使っている物だ。
あらためてここが自分の居住空間、家であることが分かった。
そして自分が
「気がつきましたか」
そう声をかけてきたのは
「あ、センセー、おはよう」
愛称を使いながら起き上がる那月。
「気分はどうだい?」
「別に、何ともない」
「何か飲み物のを用意しまッスか?」
「それじゃあ、お湯」
「了解でッス」
そう言うと
「ありがとう」
ゆっくり手に持ち、那月は静かに口へ運んだ。
適温の白湯が体内にしみこんでいく。
「ふう……」
幸せの息をはく那月。
「その様子なら大丈夫ね」
「ガーッハハハ、那月は一日寝てれば何でも回復する」
「とりあえず安心した。稼いだはいいが、無理をした形だったからな」
衣神、
しかし、商神の言葉で那月は思い出し、落ち込んだ表情になった。
「私……、マヨちゃんになったんだ……」
那月の言うマヨとは
「魔力は安定したが、身体はまだ疲れているだろう。いまは休め」
クールながらも温かさを感じる声。
「うん、そうする」
自分を気遣う
「何も慌てることはありませんからね」
「そのとおり」
「ガーッハハハ、動くだけが全てではない」
「もう少し落ちつきましたら美味しいものを用意しまッス」
「まずは元気の回復」
「心と
他の神も気持ちは同じ。
「みんな、ありがとう」
那月は感謝の笑顔を見せた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます