第2話
事件というのは殺人事件、被害者は衛宮綾
話によれば夜中にコンビニに行きその道中通り魔に殺されたらしい
鉈のようなもので背後から一撃だったとの事だ
警察が犯人を追っているが一向に捕まる気配がない
恋人の死に精神的にやられ俺は暫く引きこもっていた
恋人でなくても正直精神的にやられていただろう、彼女とは短い関係とは言えかなり仲が良かった
部屋の扉を叩く音がする
「誰だ?」
「私です。中に入ってよろしいでしょうか?」
優の声がする
「入っていいぞ」
「それではお邪魔します」
優は中に入り直ぐに電気を付ける
明るく目を瞑る
「暗くしていては精神が蝕まれます。一緒に入れば少しは楽になるかと思いここに来ました」
手を優しく握ってくれる
「心配かけてすまない」
「謝ることではありませんよ。私は貴方の親友ですこのくらい当たり前です。
「別に謝ることではないだろ」
「では謝りません、ですが私は貴方が立ち直るまで居ますずっと」
「そう言ってお前まで居なくなったらそれこそ耐えれねぇよ」
「居なくならないように善処します」
気になっていたことを聞く
「そう言えば今は何日だ?」
日付に関しては気にしていなかったから今日何日か分からない
「今は7月です。1ヶ月は引きこもってますよ」
「そうか、学校はどうだ?」
「いつも通りですよ。綾さんを知ってる方々は結構精神的に来てましたが」
「そうか」
「先生と敦也さんからの伝言です」
敦也とは友達の名前だ
「先生からは『お前は優等生だし状況が状況だから単位は気にするな。無理に学校に来なくていいが大学行くか就職するかくらいは決めておけよ』だそうです」
「優等生で助かった」
「ですね。敦也さんからは『無理だけはするんじゃねぇぞ』だそうです」
「アイツらしい」
「では最後に私から」
手を握ったまま抱き着いてくる
胸が顔に当たり焦る
「お、おい」
「我慢はいりません、我慢すれば治るものも治りません」
頭を撫でてくる
充分1人の時に泣いたと思っていたが涙があふれる
「なん……で」
無言で頭を撫でて握っていた手を外し背中に回している
俺は優の胸元で泣く
ふと思い出した……殺人事件のあった日は
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