真実に気づかない

代永 並木

第1話

「好きです、付き合ってください」


俺こと椎名信士は後輩の女子から告白された

その少女のことを知っている、その後輩とは関わることが多く結構親しい仲だ

俺は二つ返事で受け入れた


「……成程、付き合い始めたんですね。おめでとうございます」


親友がパチパチと目の前で拍手している

鈴宮優、昔からの付き合いで1番仲がいい

敬語だが同じ歳だ


「まさか私以外から貰った初めてのチョコが本命とは凄いですね」

「良いだろ」

「それでは私のチョコは要らないですね」

「ください」

「素直なのはいい事です」


両手を前に出したら義理チョコを置いてくれる

本人曰く手作りらしい

優は料理が上手く頭も良いが身体能力が著しく低く日常生活には支障は出ない程度だが過度な運動は出来ないらしい


「次は体育ですね、頑張ってください」

「おう、任せろ」


彼女が出来たとはいえどそれ以外はいつも通りだ

体育の授業で張り切り過ぎてバテて地面に寝そべる


「お疲れ様です」


優がタオルと飲み物を持ってきてくれる


「流石、助かる」

「回収します」


少し休みタオルと飲み物を渡して運動を続行する


「お前ら付き合ってないのか?」


体育の授業を終えて優と話していると友達が駆け寄ってくる


「うん? 付き合ってないぞ」

「付き合っていませんよ? と言うより信士は彼女居ますよ」

「えっ、まじで誰?」

「綾」

「あの後輩ちゃんか〜」


後輩の名前は衛宮綾


「先輩方こんにちは」

「おっ、綾か」

「こんにちは、では先生と少し話あるので私は失礼しますね」


優はそう言って立ち去る

多分空気読んだんだろうな、本当に話ある可能性はあるけど


「遅れんなよ〜」


友達も教室に戻っていく

こっちは空気読んだな


「ちょうど教室から体育やっている所見えてたんですが3点入れてましたね」

「凄いだろ」

「はい、凄いです。見た目によらず身体能力高いですよね先輩って」

「見た目によらずは余計じゃい」


軽くチョップを食らわす


「ごめんなさい」


綾は軽く謝っている

前と同じで軽いノリで話をする

綾は結構ノリがよく話が合う


「チャイムがそろそろ鳴りますよ」


優が先生と共に帰ってくる


「ではまた後で」

「あぁ」


教室に戻り授業を受ける

昼時間になり綾と一緒に食事をとる

その後授業を受けて帰りの時間になる


「今日は彼女と帰りますか?」

「いや、なんか用事あるらしくてな」

「そうですか、なら一緒に帰りましょうか」

「そうだな」


優と一緒に帰路を辿る

家が結構近いので一緒に帰ることが多々ある

彼女が出来てから3ヶ月ほど経った時事件が起きた

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