空気マンの歌

「お父さん。空気マンはね、ヒーロー。でも、見えない」

「空気だからか」

「そう」

「役に立つのか?」

「わかんない。あ」

「何?」

「歌っていい?空気マンの歌」

「うん」


こんなに盛り上がっててかすみは眠れるんだろうか。


「どこにいるんだ空気マン パンチが効かない♪」

「おお、おお」

「どこにいるんだ空気マン キックが効かない♪」

「おう、おう」

「ウォーウォー 空気マン ここらにいるはずだけど♪」

「うん」

「ウォーウォー 空気マン いまいちはっきりわからない♪」

「わお」

「だけど僕らはいるのを知っている♪」

「うん」

「そばにいるとちょっとだけ匂う♪」


かすみ、歌は素晴らしいけどさ。


「空気マン。ん、で終わってるよ」

「あ」

「ははは。かすみの負け?」

「ううん。やり直す」

「はい」

「クリーム物干しざお」

「おお。いいね」

「ふふ。クリームでできた物干しざお。干せない」


かなりいいのが来た。負けられない。


「お、だよ、お父さん」

「はい。お、ね。うんと」

「早く」

「あ。オンラインゴマ塩」

「おお。お父さん。上出来。やった。それ、まったく使えない。ふりかけられないよ、オンラインゴマ塩」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る