番外編 もしも渚と付き合っていたら? クリスマスデート編①

「ゆうくん。今からデート行こ‼︎」


朝、ご飯を作っていると渚が突然、そんなことを言ってきた。

……急すぎない⁉︎渚は、渚はいつもこうだ。そう、いつもこうなんだ。この前のデートの時も、そのまた前のデートの時も、こんな感じで、突然『デートしよ‼︎』と、いってくるのだ。なんの前触れもなく。


「えっと、ちなみに、何時くらいから出かけようと思ってるの?」


「……う〜ん。10時‼︎」


えっと、今が9時30分だから……10時は、


「30分後じゃね〜か‼︎」


いや、さすがに30分はきついって、マジで。

……でも、俺は知っている。この手の誘いを、渚の、恋人らしい行為をしたいという誘いを断れば、渚が、普段全く怒らない渚が、ブチギレてしまうことを。そして、ブチギレた渚はとっても、とっても怖いことを。だから俺はこう言った。


「渚、10時30分からに、してくれないか?あと30分、30分だけ、時間を遅らせてくれないか?……それなら、地の果てまででもついていくからさ。」


と。……あ、さすがに最後の地の果てまでっていうのは、盛ってるからね⁉︎さすがに、ブラジルまで、泳いでいこう‼︎なんて言われて、ついて行ったりはしないからね⁉︎

ともかく、渚が


「わかった。」


そう言ってくれたので、なんとか、デートの準備を、しっかりすることができた。……あれ?そういえばどこに行くのかな?

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