番外編 もしも優香と付き合っていたら? クリスマスデート編①
「祐希、遅れてごめん。」
夜空に無数の星が輝く公園で、優香に告白されたあの公園で、2人が付き合い始めたこの公園で優香のことを待っていた俺の元に優香が現れた。女子を、大好きな人を待たせるわけにはいかない。そう考えている俺は、約束の30分前に目的地についているわけで、寒空の下、1人星を眺めつつ待っている俺を見たら、時間通りに来ていても、優香のように自分が遅れてしまったと勘違いしてしまうのは仕方ないだろう。
「全然待っていないから大丈夫だよ。……それに、優香は別に時間に遅れてはないんだし。うん。俺がちょっと、早く着いちゃっただけだから。」
「で、でも……。」
責任感の強い優香は、人に迷惑をかけることが、何よりも嫌いな優香は、それでも謝ってこようとする。だから、
「優香、大好きだよ。」
と、そう言って優しく抱きしめた。作戦名『抱きついて有耶無耶にしちゃおう大作戦』だ‼︎優香は、この作戦に弱く、俺は何度も、この作戦で、優香が謝るのを回避したことがある。それは今回も、例外ではなく、
「私も、私も祐希のことが大好き。」
と、謝ることなど忘れて、愛を伝え合うのだった。
「それじゃあ優香、行こうか。」
今日、俺と優香がこの思い出の場所に集合した理由、クリスマスイブの今日、2人で集まった理由。それは、2回目のデート、初のクリスマスデートをするためだった。
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