第221話 葵さんとのクリスマスデート ①

「ゆうくん、おまたせ~。」


なんともかわいらしい服に身を包んだあおいが、リビングでくつろいでいる俺に向かってそういう。今日は12月25日。そう、クリスマスだ‼昨日、クリスマスイブの昨日、本来ならば渚ちゃんや優香さん、日鞠ちゃんと一緒に、クリスマスパーティーをする予定だったのだが、あんなことがあったので、延期になってしまった。……まあそのおかげで、いろいろ気持ちを伝えられたし、指輪もすんなり渡せたんだけど。


「よし、それじゃあ行こうか。」


俺のこの言葉によって、俺たちにとって、初デートである、クリスマスデートが始まった。




「うわ~、すっごくきれい‼」


色とりどりの光によって照らされたクラゲを見たあおいは、そんな声を上げた。その声は、透き通るように美しくてかわいくて。もう本当に最高‼という感じだった。

俺たちが初デートの場所に選んだ場所。そこは水族館だった。デートの定番、水族館。クリスマスっぽい気はしないが関係ない。俺たちにとって、今一番大切なのは、恋人っぽいことをするためだからだ。



「ねえ葵、手、つながない?」


初デートということもあり、男らしいところを見せなくては。と、思っていた俺は、普段あおいが言いそうなことを先に言ってみる。……あおい、喜んでくれるかな?


「え⁉いいの?ゆうくん、わたしと手をつないでくれるの⁉」


驚いたような声で、葵はそう言う。


「もちろん‼だって俺達、恋人だよ⁉」


「恋人か……。」


どうやらあおいは、『恋人』という言葉をかみしめているようだった。

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