番外編 もしも優香と付き合っていたら? クリスマスイブ編

「祐希、祐希の優しいところ、私すっごく大好き。」


真っ直ぐ、俺の瞳を見つめながらそういう優香。……真剣な顔をした大好きな人からそんなことを言われて、照れてしまわないわけがなく、俺は顔を赤く染めてしまった。


「やった〜‼︎私の勝ちだ‼︎えへへ〜、ゆうき、私強いでしょ?これでもう五連勝だよ?……次、祐希から始めてみる?」


そう言って喜ぶ優香。両手をあげて、笑顔で喜ぶ優香はすっごくすっごく可愛くて、まるで天使のように……いや、天使よりも可愛かった。


「優香。いや、優香様‼︎次は俺から始めさせてください。お願いします。」


クリスマスイブというこの特別な日に、大好きな人に愛を伝えたいと思ってしまうのは俺だけではないはずだ。

恥ずかしがらず、その愛を伝えるチャンスがあるのなら、自分の気持ちを、きちんと相手に伝えるチャンスがあるのなら、きちんと伝えておきたい。そのためなら、どんな格好悪いことだっていてやる‼︎

そんな決意のもと、俺は優香にそう言った。


「よろしい。それではゆうきくん。すぐに始まるように。」


まるで王様のように、ゆっくりとした口調で優香はそういう。

……この子、本当に可愛いな。本当に。可愛いを通り越して超可愛い、いや、激かわいいもあり得るぞ。

反応ひとつひとつが可愛い優香のことを見て、そんなことを考える。ほんと、子供っぽいな〜。……まあ、そこが好きなんだけどね。

そんなことを思っていたのが仇となり、


「子供っぽい優香のことが大好きです。」


と言ってしまった。

……。

や、やばい。


「ちょっとゆうき〜‼︎子供っぽいってどういうことよ‼︎」


「いや、それは……」


この後、俺は怒ってしまった優香さんを宥めるのに、たくさんの時間、そして労力を使うのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る