番外編 もしも渚と付き合っていたら? クリスマスイブ編

「メリークリスマ〜ス‼︎」


12月24日の朝、俺はそんな声によって起こされた。今日は12月24日。


「……今日はクリスマスじゃなくて、クリスマスイブだよね⁉︎」


そんなツッコミと共に、勢いよく起き上がる。すると目に入ってきたのは、サンタのコスプレをした渚が、体中にリボンを巻き付け、赤く塗られたダンボールの中に立っていたのだ。……どういう状況⁉︎


「もう、細かいところは気にしないの、ゆうくん。……それより、今年のクリスマスプレゼントは、私からの初のクリスマスプレゼントは、私だよ?私。ど〜う?嬉しい?」


うん。すっごく可愛い。すっごく、すっごく可愛いんだけど……『プレゼントは私』って何⁉︎いや、今初めて分かったは。『お風呂にする?ご飯にする?それとも、私?』って聞かれる人の気持ちが‼︎……急に、『プレゼントは私』とか言われても困るんですけど⁉︎

とかそんなことを考えていると、


「あれ?もしかしてゆうくん、本気にしちゃった?……も〜、やだな〜、今日はまだクリスマスイブだよ。っていうかまだ、イブ(夕方)ですらないよ?……まさか、ゆうくんがそんなに積極的な男の子だったなんて。」


いや、ちょっとまて‼︎俺、別に変なこと考えたりしてないから。……多分。っていうか俺、最初に『今日はクリスマスイブだろ⁉︎』的なこと言ったよね?


「もう、冗談だよ、ゆうくん。……プレゼントは、明日ちゃんと渡すから、楽しみにしててね?……あ、あとゆうくんのプレゼントも、楽しみにしてるね。」


渚と一緒に過ごす日々は、毎日が大変だ。でも、大変だけど新鮮で、毎日がすっごく楽しい。大好きな人に引っ張られ……いや、引っ張り回され過ごす日々も、また幸せだなと、しみじみ感じる朝だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る