第181話 姫野渚の初デート ①

……今、今私って、ゆうくんと一緒に、デートしちゃってるんだよね⁉今私、大好きな人と、デートしちゃってるんだよね⁉

普段はクールで(自称)、ゆうくんに積極的に近づいたり、くっついたりしない(自称)、ゆうくんと一緒にいるだけで、舞い上がったりはしない(自称)私だが、今日は、ゆうくんとのデートということもあり、すっごく緊張しているし、顔も真っ赤になっちゃってるし、ゆうくんとの距離も、すっごく近い。うん。本当に、本当に近い。はぁ。はぁ。なんだろう、この気持ち。ずっと好きだったゆうくんと、ずっと私の王子様だったゆうくんと、肩同士が、触れ合っちゃうくらいの距離で歩いてるなんて……すっごくうれしい‼

そんなことを考えながら、ゆうくんと一緒にいることのできる幸せをかみしめていると、


「渚ちゃん、その服すっごくかわいいね。……いつもうちに来るときは制服だから今日初めて、渚ちゃんの私腹を見たけど、すっごく似合ってると思う。……そんなにかわいい服持ってるなら、うちに来るときも着てくればいいのに。」


そんな嬉しいことを、ゆうくんは言ってくれる。

素直で、正直で、優しいゆうくんだったからこそ、私はゆうくんに惚れてしまったんだろう。そんなゆうくんがいてくれたからこそ、人間嫌いだった私は、今のようになることができたのだろう。本当に、本当にありがとね。ゆうくん。

……服をほめてもらうという、デートならではの出来事を体験出来て、頭がくるってしまったのか、柄にもないことを言ってしまう私。なんか変な感じ。

そういえば、ゆうくん、『うちに来るときは』って言ってたけど、まだ、聞いてないのかな?

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