第175話 ……まさか、優香さん⁉

「ふ~ん。そんなことがあったんだ~。」


優香さんは、嬉しそうな声でそう言う。……なんでそんなに、嬉しそうにしているんだろう?本当に、全く意味がわからない。

人間関係が、あまり得意ではない俺は、人を疑うなどということをしない俺は、この時気づいていなかった。


「……ゆうきくん。そんなこと、私に言っちゃってよかったの~?葵と付き合ってから、あまりうまくいっていないなんて相談、私にしちゃってもよかったの~?」


俺のことを、まだあきらめていない優香さんが、俺にうその情報を教える可能性が

あることを。優香さんが、この隙を狙って、何か仕掛けてくる可能性があることを。


「……まあ、二人とも、大切な友達だから、弱みに付け込むなんてこと、しないけど。」


ふぅ。よかった~。……もしこれが戦場なら死んでたな。うん。確実に。

そのくらい大変なミスをしたのにも関わらず、俺はあまり反省していないし、この失敗を、次に生かそうとも考えていない。

……なぜかって?

普通に、人を疑うのとか面倒くさいからだよ‼


「それじゃあゆうきくん。今から私の作戦を説明するから、よ~く聞いてね?……成功したらご褒美に、デートしても~らおっと。」


成功したら、優香さんとデートか……。

付き合っている葵とは、デートの約束すらしていないのに、付き合ってない渚ちゃんや優香さんとはデートをする約束をするって……どういう状況⁉

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