第173話 葵さん……。
はぁ……。
はぁ……。
はぁ……。
家に帰ってからも、文化祭の出し物に納得のいかない俺は、仕切りにため息を吐いていた。
すると……
「ゆうくん‼︎ため息を吐きたいのはこっちの方なんですけど⁉︎」
顔を真っ赤にして、頬を膨らませながら、葵はそういう。
「私が眠っちゃってる間に、ゆうくんは文化祭の実行委員になっちゃうし、それに‼︎その相方が、よりにもよって渚だなんて……。ゆうくん‼︎なんで断らなかったの⁉︎昨日、あれだけお仕置きしたよね⁉︎2時間ゆうくんに抱きついたよね⁉︎あのお仕置き、またして欲しいの⁉︎」
……して欲しいかして欲しくないかで言えば、普通にして欲しい。……あまり長くない時間なら。
ただそう言えば、葵をもっと怒らせることは明々白々なので、そんなことは言わない。葵に向かって、謝り、今回の件は仕方なかったことだと説明をするだけだ。
「葵、ごめん。でも今回のは、仕方のないことなんだ。」
そう言って俺が理由を説明しようとすると、
「全部、渚から聞いた‼︎渚がゆうくんを勝手に指名したことも、ゆうくんがちゃんとはなしをきいていなくて、断れない状況になっちゃったってことも。……それでも、それでもゆうくんに、断って欲しかったっていうのは、彼女として、当然のことじゃないかな?」
そう言った葵の顔は、すっごく悲しそうだった。
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