第172話 なんだよ、執事喫茶って……

「はぁ。なんだよ、執事喫茶って。」


文化祭の出し物が決まったことによって、お役御免となり、席に戻った俺は、大輝に向かってそう言った。

クラスメイトは大輝のこの案に賛成しているようだが、俺は反対だ。……だって接客とか面倒くさいし、『おかえりなさいませ、ご主人様。』とかどうせ言わされるんだろ?あれは女性がやるからいいのであって、男がやったらただの地獄だ。そもそも、この『執事喫茶』というものは、どの年齢層、どんな人をターゲットにしているのかわからない。

目的もなく、恥を晒すなんて普通に耐えられない。


「なんだ?祐希は反対なのか?……執事喫茶はいいぞ〜。むさ苦しい男なんて近寄ってこないのに、可愛い女の子はたくさん近づいてくるんだから。」


まあ、大輝のことだから、どうせくだらないこと考えているんだろうな〜。

とは思っていたけど、まさかここまでとは。

……ていうかこのクラスの男子、全員これが理由で賛成したの⁉︎もしそうだったら、普通に終わってるだろ⁉︎

先生‼︎のほほ〜んとした顔してますけど、うちのクラスの男子、クッソしょうもないこと考えてますよ⁉︎あなたが楽しみにしている文化祭、下手したらあなた、生徒の尻拭いだけで終わりますよ⁉︎

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