第167話 葵さんの作戦会議‼︎

「それでは、第一回、ゆうくんにもう一度好きになってもらおう大作戦 作戦会議を始めます。」


1人っきりの家で、自分に向かって私はそう語りかけた。

……なぜ、こんな作戦会議を1人でしているのか。それは、せっかくゆうくんと付き合うことができたのに、恋人らしいことが、まだ一つもできていないからだ。

ゆうくんと、付き合い始めてから早1ヶ月。そろそろ恋人らしい行為をしたいな。と思うものの、肝心のゆうくんが渚や日鞠ちゃんと一緒にたくさんの時間を過ごしているから、せっかく恋人になったのに、ゆうくんと2人っきりで過ごす時間がほとんどなくて普通に辛い。……ううん、この状況が続いたら普通に死ねるっていうくらいには辛い。

だから私は、もう一度ゆうくんに振り向いてもらうために、もう一度ゆうくんに好きになってもらうために、1人で作戦会議を始めたのだ。


「……まあ、そんな作戦思いつかないから、ゆうくんと一緒に過ごせてないわけで……1人で一生懸命考えたところで、なにも変わらないんだけどね。」


まあ、そういうわけで、この作戦会議は、結論を出すことなく、たった一分で終わってしまったのだ。

……まあ、とりあえず、ゆうくんが帰ってきたら、お仕置きだけはしておくか。

……あ、それとご飯も作っておかないとね。

そう思い、夕食を作り始めるのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る