第106話 またまた女子と、一緒にお風呂 (優香編)

あの出来事から7時間後、優香さんと一緒にお風呂に入っていた。


「ゆうきくん。今日のアレ、どうだった?」


俺の背中を流しながら、優香さんは俺にそんなことを聞いてきた。


「すっごく楽しかったよ。3人とも、メイド服も猫耳も似合っていて、すっごくかわいかったし……。」


「そうなんだ‼……ふぅ~、よかったよかった~。」


俺がそう伝えると、優香さんはとっても安心したようで……泡の亡くなった俺の背中に全身の力を抜いて抱き着いてきた。


「実はね、わたしたち、昨日私たちのために、一生懸命、いろいろなことをしてくれたゆうきくんに、感謝の気持ちを伝えようと思って、『メイド喫茶』みたいなことをやったんだ。」


そういう優香さんの声はとてもやさしくて、甘くて……聞いているだけで、耳がとろけてしまいそうだった。


「そうだったんだ。最初はちょっと戸惑ったけど、すっごく楽しかったよ。今日は本当にありがとう。……また明日から、勉強一緒に頑張ろう‼」


俺はそう、優香さんに感謝の気持ちを伝えた。……俺には、優香さんたちみたいな行動力はないから、言葉でになっちゃったけど。


「うん‼明日からもよろしくね‼ゆうきくん。」


そう言って笑う優香さんの笑顔は、昨日の夜、日葵ちゃんが見せた笑顔のようにあどけなく、葵のようにきれいな笑顔だった。

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