第86話 動物たちと、一緒に遊ぼう‼

「なあ祐希、俺は思うんだ。動物なんかと触れ合うより、小学生と触れ合った方が

百倍楽しいと思うんだ。」


ウサギの頭をなでている俺の横で、大輝はそんなことを言う。

……動物園とかの『ふれあいコーナー』的なところの看板が、漢字じゃなくて、

ひらがななのは、漢字にすると、犯罪者みたいな感じがするからなんだ。大輝の言葉を聞いて、俺はそう思った。大輝の言っている、『触れ合う』というのはきっと、

鬼ごっことか、だるまさんが転んだをして遊ぶことを『ふれあう』と考えている俺とは、違う意味なのだろう。

あいにく、俺はそんな残念な趣味は持ち合わせていないため、


「大輝。そんなこと言ってないで、お前もウサギにニンジンをあげたらどうだ?

……早くしないと、お前が自分で食べることになっちゃうぞ?」


前半部分を本気で、後半部分は冗談で言ったつもりだったのだが、大輝は、別の取り方をしたようで……。


「またまた~、おれが動物と触れ合うなんてつまらない冗談言っちゃって~。……それにしても、このニンジンを自分で食べるのか。祐希、いい案を出してくれてありがとう。」


そう言われてしまった。

……大輝って、頭のねじが何本外れているんだろう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る