第85話 おいしくできた、カレー?

「ゆうき~、そろそろこっちは出来上がるぞ~。」


鍋で炊いている、米の様子を見ていると、大輝がそんなことを言ってきた。

つい先ほどまでは、四人で協力してカレーを作っていた俺達だが、今はそれぞれが、

別のことをやっている。

葵と、優香さんは使った包丁やまな板の片づけを、俺は米の様子を、大輝は、カレーの様子を見ていた。

途中、大きい虫が近づいてきて、葵が包丁を振り回す。といった危険な事件はあったものの、それ以外は特に事件は起きず、順調にカレーを作っていた。

……外で作っているわけだし、虫が出るのは、仕方ないよね。

そんなことを考えると、ようやくご飯が炊きあがった。



「いただきます‼」


ご飯が炊きあがってから五分後、俺達は、そう言って、カレーを食べ始めた。

その味は……


「……大輝、お前絶対、なんか変なものを入れただろ?」


はっきり言って、すっごくまずかった。味は、すっごく甘くて、苦い。

辛くておいしいわけでも何ともなかった。


「うん。もちろん入れたよ‼煮干しとチョコと、はちみつと、角砂糖三つに抹茶。

なあなあ、祐希。俺って料理の才能あると思わない?」


断言しよう。大輝には、これっぽっちも料理の才能なんてものはない。

うん。本当に。

※このカレーは、この後、大輝が責任をもって、全部食べました。

……まあ、こんな料理しか作れないんじゃ、日鞠ちゃんも、大輝の料理なんか、

食べたくなくなるよね。

そう思う、俺であった。

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