第84話 あ……やっぱりカレーなんですね

午前10時、俺達四人……というより、俺たちのクラスのバスは、集合時間の7時から

三時間をかけて、目的地にたどり着いた。


「うわ~‼すっごくきれい‼」


葵が、そう大声で言ってしまうくらい、俺たちの目の前には、きれいな景色が広がっていた。

色とりどりの花が、きれいに咲いている花畑。風が吹いた時、木が立てる

ザワザワザワ

というような音が、とても心地いい。

空気も澄んでいて、空には雲一つない。

そんなきれいな景色だった。




到着してから一時間、クラスごとに、施設の案内をしてもらったあと、俺たちは昼食づくりを始めていた。昼食のメニューは、カレー。

まだ昨日作ったカレーが家に帰ったら残っているのに、俺たちはまた、カレーを作っている。

……カレーは好きだけど、毎日のように食べたくはないかな。


「ゆうくん、ニンジン切れたよ~。えへへ~、すごいでしょ~。」


と、葵はいつもの学校モードではなく、おうちモードになっている。

……きっと、優香さんや大輝からしたら、葵が壊れたように見えてるんだろうな~。


「ゆうきくん、わたしもジャガイモの皮むけたよ‼……すっごくきれいに向けたでしょ~。……ほめてくれてもいいんだよ?」


優香さんは、そう言って顔を赤くする。……恥ずかしいなら、葵の真似みたいなことなんて、しなければいいのに。


「ゆうき~、俺も玉ねぎの皮、むけたぞ~。なあなあ、俺の頭をなでてくれてもいいんだよ?」


……。うん。君はちょっと、気持ちが悪いからやめようか、大輝君。

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