第82話 待ちに待った、校外学習‼
朝六時、たくさんの荷物を持った俺と葵は、学校に到着した。
なぜ、こんなに朝早くから、学校に来ているのか。それは、今日が、
待ちに待った、校外学習だからだ‼
「おはよう、祐希くん。葵。」
校庭に着くと、先に来ていた優香さんが、そう挨拶をしてきた。
「おはよう、優香さん。」
「おはよう、ゆうか〜」
挨拶をしてきた優香さんに対して、俺たちはそう、
挨拶を返す。
「ねえねえ、二人は今日、班で作る昼食って、なんだと思う?」
優香さんは、突然(?)いや、突然ではないか……。
まあ、ともかく、そんなことを聞いてきた。
……今日作る昼食か。なんだろう?
俺がそう考えていると、
「やっぱり、カレーとかじゃない?こういう時、
班で作るものって、大体カレーだと思うし。」
……カレーだと⁉︎いや、まあ確かに言われてみればそんな気もするけどさ、ここは『常識をぶち壊していこう‼︎』的な感じで、先生が意味のわからないことを言い出して、パスタとか、そういうオシャレ(?)な料理を作ることになるかもよ⁉︎
……というか、そうじゃないと。
「まあ、どこかの誰かさんは、昨日の夜、私とある男の子に、カレーを振る舞ってたけどね。」
すみません。本当にすみません。今日のことなんて、何一つとして考えていなかったんです。
そう、心の中で謝っていると、
「よし、ギリギリ間に合った‼︎おはよ〜、祐希。
神崎さん。神保さん。」
集合時間ぴったりに、そんなことを言いながら、大輝が現れた。すると……
「よし、全員揃ったみたいだから、出発式を始めるぞ‼︎」
先生がそういうと、つまらない……というよりほとんどの人が右から左に流しているであろう校長先生の話や、校外学習の注意などを、色々な先生、実行委員の生徒が話し始めた。
ちなみに、俺は『……大輝、最後だったんだ』とか
そんなことを考えていて、先生の話なんて、全く、
これっぽっちも聞いていませんでした。
「よし、これで出発式を終わりにする。クラスごとに、担任の指示に従ってバスに乗るように。」
そんな学年主任の先生の合図とともに、俺たちの、
校外学習が始まったのだった。
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