第80話 予告なし⁉ぶっつけ本番小テスト‼

「はい、それでは今日は、土曜日に話した通り、朝、一時間目の前に、古典の単語テストを行います。」


朝の会も終盤に差し掛かったところで、先生が突然、そんなことを言い出した。

……土曜日に話した通りって。俺と葵、その日は休んでて知らなかったんですけど⁉

何にも聞いて、いなかったんですけど⁉

教室を見渡してみると、葵は、『ヤバイ、また小テストで、ひどい点数を取っちゃう』とか思っているのか、顔を青くしており、優香さんは『ヤバイ、伝え忘れちゃった』と思っているのか、葵と同じく、顔を青くしている。俺の前の席に座っている

大輝はというと……

『してやったり』といわんばかりに、勝ち誇った表情をしている。

……こいつのせいか‼

そう思ったものの、今更大輝に怒りをぶつけたところで、テストの点数が上がるわけでもなく、ただ単に、先生に怒られ、周りに変な目で見られるだけなので、今は大輝に起こらないでおく。

……だって俺、ただでさえ友達が少ないのに、いや、友達が一人しかいないのに、

クラスメイトからの信用を失えば、今以上に居場所がなくなるだけだし。

まあ、でも後で、どこかでこっそり、首を絞めておくけど。

昨日のこともあるしね。

別にこれくらいしたって、怒られないでしょ。

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