第79話 二日連続、黒歴史を作るとか……
「ゆうくん、ゆうくんに質問です。ゆうくんは、同年代の女性より、年下の女性の方が、好きなんですか?」
帰り道では、『葵先輩。か……。」とか言って、感慨に耽っていた葵は、家に帰るなり、そんなことを聞いてきた。俺たちが家に帰ってきた時間は、11時30分。
……あの、葵さん、僕はそろそろ寝たいんですけど。
(眠すぎて、)鬼の形相をしている(ように見えている)葵に、俺がそんなことを言えるはずもなく、俺はこの質問に、答えることになったのだ。
「どちらが好きかっていう聞き方なら、俺は多分、年下の方がいいかな。」
……あれ?前に優香さんに聞かれたときは、『年上、もしくは同い年』って答えたような……。俺の意見って、一貫性も何もないんだな。恋愛に関しては。
「ほら、日鞠ちゃんって、すっごくかわいいじゃん。ああいう感じの子に、甘えられてみたいな~。とか思っちゃったりさ。……もちろん、甘えるのもいいけど。」
……あ、そういう事か。今日の日鞠ちゃんが、あまりにも可愛すぎて、年下って答えちゃったんだ。まあ、世界一可愛いのが葵ってことに変わりはないけど。
……というか、脳で理解するよりも先に、口から言葉として出ちゃう俺、結構やばいんじゃない?
「へ~、そうなんだ~。ゆうくんって、年下好きなんだ~。私みたいなおばさんより、日葵ちゃんみたいに、若い子がいいんだ~。」
あれ、もしかして葵さん、怒っていらっしゃる?(俺、今日この言葉何回言ったんだろう。)
「ふん‼いいもん。絶対の絶対のぜーったい、ゆうくんに、『同い年が最高‼幼馴染しか勝たん‼』って、言わせてやるんだから~‼」
……葵さん、それは無理な目標だと思いますよ?だって僕、今そんなこと、言ってないじゃないですか。俺、そういう事いうタイプの人間じゃないし。
……それに、もしこれ以上葵を好きになったら、俺本当にやばい人になっちゃうよ?
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