第76話 ゆうくんは、死にたいのかな?
「ごめん。今から急いで、夕食作るね‼」
リビングに入ってきた瞬間、ゆうくんはそんなことを言った。
え~、まだできてなかったの~。早く食べたかったのに~。
私が、そんな風に心の中で文句を言っていると、
「あの、ゆうき私、カレーの続き、勝手に作っちゃいました。……すいません。」
そう言って、家来の妹、日鞠ちゃんが謝った。……だからキッチンに、立ってたんだね。
「え⁉日鞠ちゃんが、作ってくれたの⁉……ありがとう、作っておいてくれて。」
ゆうくんが、そう言って、日鞠ちゃんの、頭をなでなでし始めた。
……む~‼日葵ちゃんだけズルい‼私も頭、なでなでしてほしいのに‼というか、
ゆうくんに頭をなでてもらえるのは、私の特権なんだからね⁉
そう言いたかったのだが、ここにあの、家来がいる以上、そんなことを言ってしまってはまずい。私の、私の秘密がばれてしまう‼
まだ、優香しか知らない、私がゆうくんのことが、大好きだっていう秘密が。
私がつけている、白いマーガレットの髪飾り。白いマーガレットの花言葉は、
『秘めた愛』。
この気持ちは、伝えるべき時まで、隠し続けないといけない。そんな思いから、
子の髪飾りを選んだのに……。
危なく、ゆうくんの家来に、この気持ち、ばれちゃうところだったよ。
そういえば、優香は花言葉とか調べずに、フクジュソウの花の髪飾りを選んでいたけど、フクジュソウの花言葉って、何なんだろう?
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