第70話 今日の朝、俺に話しかけてくるのは、葵ではなく……
「おはよう祐希。この前は、大丈夫だったか?」
「ああ、この前は全然、大丈夫だったよ。昼ごろまで寝てたら、熱も下がったし。」
いつもなら、こんな話をしていると、あおいがやってくるのだが、今日はそんなことは起きなかった。
……まあ、あんなことがあったら、さすがに話しかけづらいよな。
今日は、そんな葵の代わりに、優香さんがやってきた。
「おはよう、祐希くん。あと、祐希くんのお友達。」
【悲報】 大輝、校外学習で同じ班のメンバー
に、名前を覚えてもらえず。
「ねえねえ、昨日私が帰った後、何かあったの?
いつもなら、睨むように祐希くんのことを見ている葵が、今日は頬を赤らめながら、みているんだけど。」
何かあったといえば、何かあったけど、アレについて、あまり話したくはないかな。
普通に恥ずかしいし、それにあんなこと、学校で話したら、クラスの女子達に、フルボッコにされそうだし。
「まあ、色々とな。」
あのことについて、話したくなかった俺は、言葉を濁してそう答えた。
「まあ、話したくないこともあるよね。」
どうやら今ので、優香さんはうまく察してくれたようだ。
ふぅ。本当に良かった。
……もし、これが葵だったら。
そう考えただけでゾッとする。
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